群論(読み)グンロン

デジタル大辞泉 「群論」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐ろん【群論】

代数学の一部門。集合定義を満たすとき、この集合の性質を研究する学問

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精選版 日本国語大辞典 「群論」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐ろん【群論】

  1. 〘 名詞 〙 群の性質を研究する数学分野

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百科事典マイペディア 「群論」の意味・わかりやすい解説

群論【ぐんろん】

理論を研究する数学の一分科。群の概念は18世紀末ラグランジュらに始まり,アーベルガロア代数方程式との関係を追究した後,ケーリークロネッカーが一般的な群を定義した。以後クラインによる幾何学との関係の解明エルランゲン・プログラム),リーの連続群の理論を経て,W.バーンサイドの《群論》(1897年)により数学の一分科としての地位確立。以後抽象代数学へ発展,数学全分野の基礎の一つとなっており,量子力学等への応用も重要。
→関連項目ジョルダン代数学

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「群論」の意味・わかりやすい解説

群論
ぐんろん
theory of groups

群の理論およびその応用に関して研究する数学の一分科をいう。歴史的には 18世紀末の J.ラグランジュらによる高次方程式の代数的解法に関連して,まず置換群の概念が導入された。やがて N.アーベルや E.ガロアによる代数方程式の研究では,群の概念がその中心的な役割を果すこととなり,群の重要性が認識されるようになった。その後,A.コーシーらの研究により,19世紀なかばに群概念の基本的な完成がみられた。しかし群の理論が一般化され,数学全般に影響をもつようになったのは,その後の研究,特に A.ケーリー,L.クロネッカー,F.クライン,M.リーなどの業績によるものである。

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化学辞典 第2版 「群論」の解説

群論
グンロン
group theory

数学で定義されている群の性質を議論する理論.そこで定義される群の表現分類などが結晶学分子構造の議論に広く使われ,化合物対象とする点群結晶を対象とする空間群などという用語も発生した.また,群論と量子力学は密接な関係にあり,物質世界を数学的に理解しようとするときには欠かせない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の群論の言及

【結晶学】より

… 19世紀半ば近くになって,イギリスの鉱物学者ミラーW.H.Millerは対称の検討に基づいた結晶系と面指数の記号法とを確立し(1839),またフランスのA.ブラベは対称による空間格子の分類を完成した(1850)。しかしワイスの時代から既に知られていた完面像晶族と半面像晶族との差については,その理解には空間格子という枠に従って配列するところの結晶構成単位そのものの対称の研究が必要であり,この空間格子と構成単位との対称的な関係について,ドイツの物理学者ゾーンケL.Sohnckeがその一部に解答を与えたが,19世紀末にいたって,ロシアのフェドロフE.S.Fedorov,ドイツのシェーンフリースA.M.Schönflies,イギリスのバーローW.Barlowの3人によって互いに独立に建設された空間群論によって,その完全な解答が与えられ,ここにいたって古典的な結晶学が完成されたのである。【定永 両一】。…

※「群論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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