デジタル大辞泉
「福引」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ふく‐びき【福引】
- 〘 名詞 〙
- ① くじ引をしてさまざまの品物を取り合うこと。多くの綱・紐などに種々のものをつけ、引き手にはそれを隠して引かせる遊戯。正月の遊びとして多く行なわれた。《 季語・新年 》
- [初出の実例]「宝引 福引(フクヒキ)」(出典:俳諧・俳諧新式(1698)正月)
- ② 年の初めに、二人で一つの餠を引っ張り合い、取分の多少によりその年の禍福を占うこと。
- [初出の実例]「二人むかひて餠をひきわるをば福引(ヒキ)と云ならはせるも、ゆへなきに非るか」(出典:塵袋(1264‐88頃)九)
- ③ 商店の売出しで商品を買った人、または宴会の余興などで出席者にくじを引かせ、当たった人に景品を出すこと。
- [初出の実例]「新築披露の為め一昨日より景品の外に大福引附売出しを始めたり」(出典:都新聞‐明治四〇年(1907)一二月三日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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福引
ふくびき
くじ引きによって品物を人々に分け与えること。歴史的には、奈良時代聖武(しょうむ)天皇の天平(てんぴょう)2年(730)正月、座興として、仁・義・礼・智・信の一文字を書いた短冊を引かせ、その文字によって綿布などを賜ったのが記録に残る最初のものといわれる。また2人が向き合って餅(もち)を引き合い、取り分の多少によってその年の吉凶を占う、主として正月の縁起遊びであった。江戸時代になると、宝引(ほうび)きという名で、数本の縄の先に景品を結び、それを引き当てる正月の子供の遊びが路上で行われた。この形が、現在の商店での客寄せのための福引に発展したといえる。その後は正月に限らず目的に応じて行われ、宴会の余興には見立て、籤取(くじとり)、茶番福引などさまざまなくふうが凝らされた。
[稲垣史生]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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福引【ふくびき】
くじを引いて物品をあてる座興。正月に餅(もち)を引き合って,その年の吉凶を占ったり,短冊(たんざく)に文字を書いて引きあてる遊戯は古くからあったが,江戸時代には宝引(ほうびき)といって多数の糸を束ね,先に物品を結んで,それを引きあてる遊びが起こった。さらに辻宝引といって,路上で子どもを相手に菓子やおもちゃをあてさせる商売が生まれ,〈さござい〉ともいわれた。現在では中元・歳暮に商店が大売出しの景品として福引を行う。
→関連項目くじ(籤)
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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福引
ふくびき
くじ引きの一種。くじにより,金銭,商品などを当てること。語源は,年の初めに2人で餅を引っぱり合い,取り分の多い少いで吉凶を占ったことから生れたといわれる。日本では古くから正月の座興の一つとして行われてきたが,のちには正月に限らず行われるようになり,最近では商店などが売出しに際し,客集めのためくじ引きにより景品を出すことが多い。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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