阿須賀神社
あすかじんじや
[現在地名]新宮市阿須賀一丁目
熊野川河口近くの独立山塊蓬莱山(約四〇メートル)南麓に鎮座。飛鳥社とも記す。もと西方にある熊野速玉大社の摂社で、同社の神職が兼務した。熊野速玉大神・熊野夫須美大神・家津美御子大神を主神とし、建角身命・黄泉津道守命を配祀。旧村社。蓬莱山一帯は県指定史跡。社伝では孝昭天皇の時の創立という。神社背後の蓬莱山は神山らしい秀麗な山で、境内地には阿須賀遺跡があり、弥生時代の土器が出土。熊野権現御垂跡縁起(長寛勘文)によると、熊野権現は熊野新宮南の神蔵峯に降臨、六一年後に新宮東の阿須加社の北石淵の谷に勧請され、初めて結早玉家津美御子と称したという。この頃までには熊野信仰が当社にも浸透、熊野三所権現が主神とされるようになったと考えられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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