陣馬高原(読み)じんばこうげん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「陣馬高原」の意味・わかりやすい解説

陣馬高原
じんばこうげん

神奈川県北部、相模原市(さがみはらし)と東京都八王子市との境界をなす陣馬山(陣場山)一帯高原。最高峰陣馬山は標高857メートル。山名起源には諸説があり、日本武尊(やまとたけるのみこと)東征のおり、山また山のため人馬ともに困難を極め、ようやく越えることができた山ということにおこるとする説、また武蔵(むさし)、甲斐(かい)両国を連絡する間道筋に近く、平時は馬継(うまつぎ)が行われていたが、甲武間の緊張時には陣馬の置き場にされたことによる、あるいは戦時に陣を張った「陣張山」からおこったとする説などである。頂上にこの山のシンボルとして天空に向かっていななくコンクリート製の白馬が立っている。

 高尾山(たかおさん)から小仏峠(こぼとけとうげ)、景信山(かげのぶやま)の尾根伝いに北西へ延びる奥高尾ハイキングコースの中心をなし、頂上からの展望が広く、秋の月見には絶好の山とされている。JR中央本線八王子駅から陣馬高原下行きバスで終点下車、和田峠から登るか、中央本線藤野駅下車、栃谷(とちや)尾根を登る。

[浅香幸雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陣馬高原」の意味・わかりやすい解説

陣馬高原
じんばこうげん

東京都西部,八王子市西端にある高原。標高 857mの陣馬山の東に広がり,中世北条氏と武田氏戦場となったのが地名由来高尾陣場都立自然公園一部で,ハイキングの適地

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世界大百科事典(旧版)内の陣馬高原の言及

【陣馬山】より

高尾山から景信(かげのぶ)山,陣馬山へと続く稜線を通る裏高尾のハイキングコースにあたり,山頂からは富士山,相模湾などの展望にすぐれる。東麓は陣馬高原と呼ばれ,キャンプ場となっている。山麓の八王子市上恩方(かみおんがた)は中村雨紅の《夕焼け小焼け》が生まれた地といい,その歌碑がある。…

※「陣馬高原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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