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階層意識 かいそういしき

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

階層意識
かいそういしき

社会の構成員が,社会階層の中で他人と比して自己の所属する階層を認識する意識。ここでの社会階層 social strataは上層,中間層,下層などといった垂直に並ぶ層を意味し,社会階級 social class (→階級 ) と類似の概念である。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

階層意識
かいそういしき
stratum consciousness

マルクス主義における本質的階級意識class consciousnessが先鋭なイデオロギー性と目的意識性をもち、階級闘争を行う能力のある自覚した階級を特徴づけるものであったのに対し、階層意識という場合には、広義には同じ階層に所属する人々の間に広まった、自他の階層に関するほぼ共通した感情ないしは意識をさす。より狭義には地位心理または階層心理をいい、同一階層所属員の間に共通してみられる日常的、自然発生的、非合理的な感情、気分、願望などの総体をさす。この点でそれは経験的階級意識または階級心理とほとんど区別できない。階層心理は階級心理と同様、自然成長性と感性認識を特徴とし、同一階層所属員に対しては同類意識を示す反面、他の階層所属員に対しては差別意識を示す。それは、階層が上下・優劣の威信序列への差別的評価(格づけ)に基づいているのと対応する。この差別的評価に基づく差別意識のうちに、階層意識の本質が認められるといってよい。
 同類意識としては、上・中・下のいずれかの階層に所属しているという意識――アメリカの社会心理学者センターズRichard Centers(1912―81)のいう階層帰属意識stratum identificationがその典型をなし、これが外に向かっては下層の者に対する優越感、同じ階層に属する者同士の間の競争心と嫉妬(しっと)心あるいは出し抜かれるのではないかという不安、上層の者に対する劣等感とその裏返しである上層への同一化(優勝模倣、上昇志向)など、潜在的、顕在的な差別意識となって現れる。その場合、この差別意識は、上層の価値観や生活態度への同調と受容(社会化の先取り)を介して、支配的な価値に従属し、既成の階層秩序を内的に是認する傾向を助長するから、いきおい現状を肯定し正当化してそこに埋没する結果を招きやすい。つまり、狭義の階級意識のように、他に対する明確な利害対立意識、階級差別を固定化する既成秩序への否定的・告発的態度、革命への展望と体制変革への行動エネルギーを欠き、容易に現状になじむ形で体制内に水路づけられることになる。[濱嶋 朗]

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