集積の不経済(読み)しゅうせきのふけいざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「集積の不経済」の意味・わかりやすい解説

集積の不経済
しゅうせきのふけいざい

都市は一定限度規模を超えると過密による弊害が生じるという考え方。経済協力開発機構(OECD)が2006年に作成したリポート「OECDテリトリアルレビュー グローバル経済における都市の競争力」(OECD Territorial Reviews:Competitive Cities in the Global Economy)のなかで、「一定限度(約700万人)までは大きいほど豊かなことを意味するが、その限度を超えると、大都市圏の規模と所得は負の相関関係になる」と分析している。リポートでは、「産業や消費が集中する魅力的な都市に人口が集中すると失業者もそこに集中し、それに伴ってスラム街が形成され、これを改善するために莫大(ばくだい)な行政コストが発生する」と指摘。また公害や地価高騰、住宅不足などの都市問題も発生しやすくなる。そのため、集積してから対策を講じるのではなく、集積そのものをコントロールしたほうが経済的に優れている、という考え方が成り立つ。しかし、実際には人の移動自由を規制することはむずかしいため、広範な緑化地区指定ソウル)、複数中心部を置く方法メルボルン)、道路の有料化や混雑税の導入ロンドンストックホルムシンガポール)などが集積の不経済を克服する具体的な方策とされている。

[編集部]

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