雑魚の魚交じり(読み)ザコノトトマジリ

デジタル大辞泉 「雑魚の魚交じり」の意味・読み・例文・類語

雑魚ざこととじり

雑魚が大きな魚の中に交じっている意》小物大物の中に交じっていること。能力にふさわしくない地位にいることなどのたとえ。
[補説]この句の場合、「魚交じり」を「うおまじり」とは読まない。「とと」は「さかな」をいう幼児語
[類語]海老の鯛交じり蝙蝠こうもりも鳥のうち

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精選版 日本国語大辞典 「雑魚の魚交じり」の意味・読み・例文・類語

ざこ【雑魚】 の 魚(とと)(ま)じり

  1. ( 雑魚が大きな魚に交じっているの意から ) 弱小な者が強大な者の中に交じっていること。身分や、能力が不相応な中に交じっていること。ごまめのととまじり。蝦(えび)の鯛まじり。
    1. [初出の実例]「弐文四文のはした芝居、誠に海老(えび)雑魚(ザコ)の魚(トト)まじり、一寸法師背くらべ、さりとては厚かましい」(出典:滑稽本・風来六部集(1780)飛花落葉)

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ことわざを知る辞典 「雑魚の魚交じり」の解説

雑魚の魚交じり

小さく弱い者が、強く大きな者の中に交じっているさま。分不相応な者が中に交じっていることのたとえ。

[使用例] 娘にいよいよ願ってもない幸運がふりかかり、自分もそのおかげで、小金を持った人たちと親戚附き合いができるということになって、つたは一時は夢かと喜んだが、そのうちに、幸福な人たちと我が身を身近に引き比べて、どのみち雑魚の魚まじりだとなお強くひがむようになった[三島由紀夫*永すぎた春|1956]

[解説] 「雑魚」は小魚、とくに種類は問いません。「とと」は「魚」の幼児語また女房詞。小魚が大きな魚の群れに交じっているさまに見立てたもの。

[類句] ごまめの魚交じり

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