雪男(読み)ゆきおとこ(英語表記)yeti; Abominable Snowman

  • ゆきおとこ ‥をとこ
  • ゆきおとこ〔をとこ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒマラヤ山脈高地の雪線付近に住むと信じられている伝説的な人獣。現地民がときおり目撃するという噂は古くからあり,また長さが 33cmほどある足跡と称されているものはたびたび発見されているが,生きているものまたはその死体を見た人はなく,正体はまだ明らかでない。雪そのものの存在を疑う人もいるが,ユキヒョウ,インド産ヤセザル,ヒマラヤアカグマなどと解釈する人もいる。また霊長類に属する哺乳類一種であろうと主張する人もいる。

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百科事典マイペディアの解説

ヒマラヤの山中に生息するといわれる,人間に近い正体不明の動物。スノーマン,イェティとも。実在説の最大の根拠は1951年英国登山隊が発見した雪上の足跡(約32cm×17cm)の写真で,毛むくじゃらの直立歩行する巨人という推測を生んだが,実在は疑問視されている。類似の存在はロシア,中国,アメリカ,カナダなどでも知られる。
→関連項目ガウリサンカール[山]シプトン

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世界大百科事典 第2版の解説

ヒマラヤ山中にいるといわれる,人間に似た正体不明の生きもの。英語圏ではAbominable Snowmanまた単にSnowmanと呼ばれ,前者はチベット語Metoh‐Kangmi(〈雪の野人〉の意)を訳したもの。ブータンでの呼称に基づくイェティYetiも併用される。全身毛むくじゃらで直立歩行をする巨人(身長はしばしば2m以上)というイメージが定着している。1951年,ヒマラヤ探検に加わったE.シップトンがその足跡(約32×17cm)を写真に収めて以来世界的な関心を集め,多くの調査隊が派遣された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒマラヤ高地のチベット系住民の間で、存在すると信じられている人ないしは人に近い動物。民族、地方によって、伝承の内容や名称には多少の異同があるが、一般に名称はイェティYetiとして知られている。

 ネパール北東部に住居するシェルパの人々の間では、大形のチュティと小形のミティとがあり、身長は前者が2メートル以上、後者は1.5メートル程度で、いずれも長い体毛をもち、きわめて強力で、前者はヤク、後者は人を襲うという。近くで目撃した場合にも、病気や不幸の原因になるといわれる。鳴き声は口笛によく似ているが、一方で、人の呼びかけに対してはおうむ返しに同じことばを応答するのが特徴であるともいう。一般に人の行動を模倣するくせがあるので、かつてイェティの被害に悩まされた人々が、イェティの出没する場所で酒宴を開き、酔って刀を振り回し、争う身ぶりをしたのち、酒壺(つぼ)と数本の刀を置き去りにしておいたところ、イェティがそのまねをして実際に殺し合いをしたため、めっきり数が減ってしまったという伝承も、シェルパの間では伝えられている。

 イェティはまた、地形や障害物の有無にかかわらず、一直線に歩行するといわれる。したがって、雪上に一直線につけられた足跡は、しばしばイェティのものと考えられる。足跡のほか、イェティの鳴き声を聞いたり、遠くから、または薄暗がりのなかでイェティを見たことがあると主張する人々は、シェルパの間では少なくない。シェルパの村のチベット仏教寺院のいくつかは、イェティの頭皮と称されるものを所有しているが、実際にはカモシカの一種の毛皮という説が有力である。

 1950年代、イギリスの探検隊が異様な足跡の写真を発表してから、欧米や日本からいくつかの「雪男探検隊」がネパールヒマラヤなどに出かけている。しかし、これといった成果はあげていない。

[鹿野勝彦]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 ヒマラヤ山脈にすむという人間に似た動物。一九五〇年代その足跡が撮影されてから猿人ではないかといわれるが、正体不明。
※死について(1956‐57)〈唐木順三〉二「大きな雪男のべたべたと残した足跡を」

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世界大百科事典内の雪男の言及

【ガウリサンカール[山]】より

…1855年,シュラーギントワイト兄弟が,カトマンズから望見できるこの山を〈世界最高峰〉(ネパール語でガウリサンカール)と発表したので,20年近くこの説が信じられていた。1951年イギリスのシプトン隊が偵察,そのとき近くの峠でイエティ(雪男)の足跡の写真を撮ったのは有名。山稜は急峻をきわめ,ようやく79年アメリカ・ネパール合同隊が西壁から初登頂した。…

※「雪男」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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