香りや味の成分を添加した溶液を電気式の吸引器で加熱し、蒸気を吸うたばこ。フルーツやバニラなどさまざまな風味がある。米国の電子たばこは、日本で市販されるニコチンを含まないものとは異なり、主にニコチンを含む溶液を使用する。紙巻きたばこよりも有害物質が少ないと宣伝され、各国で近年急速に普及した。世界保健機関(WHO)は2019年夏、健康上のリスクがあり規制が必要だとする報告書を発表した。(ボストン共同)
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(椎崎亮子 フリーライター / 2010年)
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カートリッジに入った液体を、吸い口のある筒状の装置に入れ、電気的に加熱して発生させた蒸気を吸入する製品。一般的に外形は紙巻きたばこに似せてつくられている。e-cigarette、e-cigと略す。カートリッジの中の液体はイーリキッドやイージュースなどとよばれ、人工香料、アルコールの一種で蒸気の量を増やすためのグリセリン、のどの通りをよくするプロピレングリコールなどが含まれる。火を使わず有害なタールや一酸化炭素、およびたばこの先端から副流煙が発生しないため、たばこの代替品や禁煙の補助用具として使用される。2011年の世界の市場規模は約20億ドルで、アメリカ、ロシア、ドイツで60%を占め、とくにアメリカでの売上げは急増しており、2008年の2000万ドルから2013年には10億ドルになっている(財務省「たばこ・塩を巡る最近の諸情勢」)。日本でも2010年(平成22)の増税によるたばこの値上げ以降注目されている。
こうしたなか、2014年8月に世界保健機関(WHO)は、電子たばこが未成年者や胎児に深刻な影響を及ぼすおそれがあるとした報告書を公表し、各国に対して未成年者などへの販売を規制するよう勧告した。しかしこれまでフランスやスペインなどの一部の国を除いて、こうした規制を行っている国は少ない。
日本の場合、たばこ事業法では葉タバコを原料にしたものが製造たばことして定義されているため、電子たばこはこの規制対象にはならない。一方で、薬事法上ではニコチンの国内での製造、販売に厚生労働省の承認を必要としており、電子たばこでその承認を得たものはない。しかし、2010年に国内で流通していた電子たばこの一部からニコチンが検出されたため、厚生労働省は消費者に注意を呼びかけるとともに自治体に対して監視の徹底を指導している。
[編集部]
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