電弱統一理論(読み)でんじゃくとういつりろん

百科事典マイペディア「電弱統一理論」の解説

電弱統一理論【でんじゃくとういつりろん】

素粒子の電磁相互作用と弱い相互作用(相互作用)をゲージ理論に基づいて統一的に記述する理論。1967年にワインバーグサラムグラショーが提出した理論で,ワインバーグ=サラム理論,あるいはGSW理論と呼ばれている。この理論は実験的に正しいとされているがこの理論では電弱相互作用(相互作用)を媒介する粒子として4個の粒子が導入されている。電磁相互作用の媒介粒子の光子質量0であるが,弱い相互作用の媒介粒子のウィークボソンの質量は0ではない。もともと質量が0であった粒子に,有限の質量を与える過程でヒッグス粒子が現れる。英国の物理学者P.W.ヒッグスがこの理論的メカニズムを導入した。また現代物理学は,ビッグバンで宇宙が生まれた瞬間,素粒子は質量を持たず,光の速度で飛び回っていたと考えられ,直後に素粒子が質量を得て動きが鈍り,物質に満ちた今の宇宙となったとするが,ベルギーのF.アングレールはその仕組みを最初に提唱。ヒッグスはその仕組みの主役としてヒッグス粒子の存在を予想したのである。この2人は1964年に別々に論文を発表した。ヒッグス粒子は発見されていないが,この予想に基づき,欧州合同原子核研究機関CERN)の大型加速器LHCで実験が続けられた。CERNは2013年3月〈ヒッグス粒子の発見はほぼ確実になった〉と発表,2013年のノーベル物理学賞がヒッグスとアングレールに授与された。基本粒子がすべてそろったことで,物理学の標準理論が完成したとされる。→統一場理論

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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