震旦・振旦・真旦(読み)しんたん

精選版 日本国語大辞典 「震旦・振旦・真旦」の意味・読み・例文・類語

しんたん【震旦・振旦・真旦】

(Cinasthāna の音訳。秦の土地の意。古くは「しんだん」) 古代中国の別称。
正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳「統四摂而楊休、声籠天竺、菩提僧正渉流沙而遠到、化及振旦
曾我物語(南北朝頃)一一「とほくしんたんを思へば、顔回は、貫首の弟子にて」 〔翻訳名義集‐世界〕
[語誌](1)唐代の「一切経音義」「華厳経音義」「大慈恩寺三蔵法師伝」「大唐西域記」では、「振旦」「真丹」「支那」などとも称されているが、通常、中国人自らが用いることはなかった。
(2)日本では、上代から用いられたが、「晨(平)旦(平濁)」〔諸事表白鎌倉初期写〕「Xindan」〔日葡辞書〕とあるように、少なくとも中世には連濁した「しんだん」が一般的であった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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