青戸村(読み)あおとむら

日本歴史地名大系 「青戸村」の解説

青戸村
あおとむら

[現在地名]葛飾区青戸二―八丁目・四つ木よつぎ五丁目・白鳥しらとり一―四丁目・立石たていし五丁目

亀有かめあり村の南に位置し、東は中川を隔て曲金まがりがね村・新宿にいじゆく町、西は宝木塚ほうきづか村・篠原しのはら村、南は淡野須あわのす村・中原なかはら村。応永五年(一三九八)八月日の葛西御厨田数注文写(鏑矢記)に「木庭袋 七十丁 公田八(丁カ)五反内堀内(青カ)戸合二丁半木庭袋」 とみえ、葛西かさい御厨の内であった。また年月日未詳の葛西御厨入部注文写(同書)には「堀内 六町五段青戸合(木)庭袋三町半」、年月日未詳の葛西御厨田数注文写(同書)には「木庭袋 七十八町五段 堀内六丁五段青戸合二丁半木庭袋」と記される。北条氏所領役帳には遠山丹波守綱景の所領として「弐百貫弐百拾五文 葛西青戸」とみえる。永禄五年(一五六二)と推定される四月晦日の北条氏政感状(吉田文書)によると、北条氏政は去る二四日「青戸之地」を乗っ取った際に敵一人を討取った興津右近の戦功を賞している。


青戸村
あおとむら

[現在地名]緑区青砥あおと町・小山こやま

恩田おんだ川・谷本やもと川に挟まれた地。両河川は村の東南部で合流して鶴見つるみ川となる。「風土記稿」には落合おちあいという小名がみえる。南は恩田川を境に中山なかやま村・寺山てらやま村と接し、かつては琵琶橋を架ける(風土記稿)。西北側、谷本川の対岸佐江戸さえど村と川和かわわ村。中央の丘陵を除いて平地が多い。小田原衆所領役帳に長谷川「拾五貫弐百八十弐文 小机青戸内」とある。田園簿・元禄郷帳・天保郷帳は青戸村と記すが、「風土記稿」には青砥村とある。


青戸村
あおとむら

[現在地名]八木町字青戸

南北に長い村で、中央部を大堰おおい川の支流三俣みまた川が東から西に流れて村を二分する。北は氷所ひどころ村、西は刑部おさべ村・西田にしだ村、南は観音寺かんのんじ村、東は屋賀やが村、桑田郡(現亀岡市)

地名は北条時頼に仕え、正直・公正を物語る逸話で知られる青砥藤綱が当地に居住したことに由来すると伝える。幼時を丹波に過ごした相国しようこく(現京都市上京区)の僧瑞渓周鳳は、文安四年(一四四七)西田のコンピラ山に登った折、「於是北望、則山下曰青砥」と記している(「臥雲日件録」同年八月一三日条)。また慶安(一六四八―五二)頃「砥」はすり減るため「戸」に改めたともいわれ、元禄期(一六八八―一七〇四)の文書(青戸区有文書)には「青戸」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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