波長が短い青色のレーザー。コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)などに用いられる。光ディスク用のレーザー光は、波長が短い方が絞り込みやすく、高密度記録が容易になる。このため、従来の赤色レーザーにかわるものとして、青色半導体レーザー(2.5倍の高記録密度を可能にする)が、とくにDVD用に開発された。青紫色レーザーを用いることによって、12センチメートル径のDVDディスクに、赤色レーザー方式の数倍の容量、片面15~30ギガバイトを記録する技術が、すでに確立されている。
青色発光ダイオードの開発に成功した日亜化学工業(本社、徳島県阿南(あなん)市)の中村修二(現カリフォルニア大学教授)が、GaN(窒化ガリウム)とAlGaN(アルミニウム窒化ガリウム)をそれぞれ交互かつ多層に積み重ねた超格子構造により、5ミリワット、波長400ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)のレーザー発振に成功、加速試験により1万時間の推定寿命を得て、同社は1999年(平成11)初めからサンプル出荷を始めた。さらには30ミリワットで寿命500時間のものを開発し、製品化を進めている。このほか、ソニー(本社、東京都品川区)は、GaN系材料で波長410ナノメートルと398ナノメートルの青紫色レーザーの室温連続発振に成功、松下電器産業(現パナソニック。本社、大阪府門真(かどま)市)も波長400ナノメートルのレーザー発振に成功するなど開発中のものは多く、製品化を急いでいる。
また、これとは別にZnCdS(亜鉛硫化カドミウム)系の量子井戸構造を用いた波長525ナノメートルの緑色レーザーが、先行して開発されているが、寿命は400時間と短い。
[岩田倫典]
『西沢潤一・中村修二著『赤の発見 青の発見』(2001・白日社)』
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