非ナチ化(読み)ひナチか(その他表記)Entnazifizierung; denazification

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「非ナチ化」の意味・わかりやすい解説

非ナチ化
ひナチか
Entnazifizierung; denazification

連合国意向にそってあらゆる公的領域からナチズム軍国主義を一掃するため,第2次世界大戦後のドイツにおいてとられた措置総称。 1945年8月のポツダム協定で明確にされた非ナチ化は,当初占領軍自身の手によって行われたが,占領地域によって異なり,最もきびしいアメリカ軍占領地域では 131項目にわたる質問表による調査が行われ,その回答により重罪有罪微罪,同調者,無罪に分けられた。処罰として拘禁公職追放,職業制限,財産没収,科料,特別労役のいずれかが課された。ソ連軍占領地域では社会変革の一手段として利用され,主としてナチス党幹部,戦犯ユンカーらが対象となった。英仏軍占領地域では対象の半分が無罪となるなどゆるやかであった。ナチズムについてのこのような認定の形式的なやり方はドイツ国民の不満を招き,48年頃からアメリカ占領軍も積極的に追及することを控えるようになった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「非ナチ化」の解説

非ナチ化(ひナチか)
Entnazifizierung

第二次世界大戦後ドイツからナチズム(ナチ党だけでなく思想に至るまで)を一掃することをいう。(1)連合国の占領政策は,ナチ党の解消,ナチズムを基礎とする法律廃止,戦争犯罪人の処罰,独占企業解体,その他の形で非ナチ化を行ったが(ポツダム議定書),やがて非ナチ化の解釈をめぐって英米仏とソ連は対立する。(2)ドイツ国民の側から非ナチ化のため裁判所を設置し,ナチスおよびこれに協力した者を追及した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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