顕名主義(読み)けんめいしゅぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

顕名主義
けんめいしゅぎ

民法では,代理人代理行為 (代理取引) をなし,その効果を本人に直接生じさせるためには,代理人は「本人のためにすることを示して」代理行為をしなければならない。これを顕名主義という (民法 99) 。たとえば,Aの代理人Bというように表示して代理行為をすることをいい,「本人の名において」と同義であるが,必ずしも本人の氏名を明示しなくても,周囲の事情から本人がだれであるかを推知できればよいと解されている。民法上,顕名しないでなした代理人の行為は有効な代理行為ではなく,代理人自身のためになした行為とみなされる (民法 100) 。なお当事者の個性を重視しない商法では,商行為の代理について顕名主義をとらないが (商法 504) ,形式を重視する手形行為については顕名主義がとられている (手形法8,小切手法 11) 。

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大辞林 第三版の解説

けんめいしゅぎ【顕名主義】

代理人が代理行為をする場合に、自らが本人の代理人であることを相手方に示さない限り代理行為の効果が本人に帰属しない、という原則。

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精選版 日本国語大辞典の解説

けんめい‐しゅぎ【顕名主義】

〘名〙 代理人が代理行為を行なう場合に、本人のためにすることを示さなければならないとする主義。日本の民法はこの主義を採用している。

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