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飛程 ひていrange

翻訳|range

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

飛程
ひてい
range

荷電粒子が物質に入射して止るまでに走る距離。一般に粒子のエネルギーが大きいほど,また軽い物質中ほど飛程は長い。電子,陽電子以外の荷電粒子はほぼ直進し,粒子の種類,エネルギー,通過する物質の種類が同じなら飛程はほぼ同じである。電子では飛跡は曲り,また制動放射の起る可能性もあるので,前述の意味での飛程は定まらない。入射した電子数が物質層の厚さに伴って減少する様子を示す吸収曲線を測定し,その傾斜の最も急なところを直線で外挿して求めた電子数がゼロになる吸収層の厚さを実用飛程と呼ぶ。実用飛程は,β線の電子のようにエネルギーの連続スペクトルをもつ場合にも同様に定義される。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひてい【飛程 range】

電子線やα線など電荷をもった粒子放射線が物質中に入射すると,入射粒子は,非常にエネルギーの大きい場合,制動放射と呼ばれる放射線を発生してエネルギーを失う過程も無視できないが,通常は主として物質中の電子と相互作用してエネルギーを失いながら進む。質量の大きいα粒子や陽子は物質中の道筋がほぼ一直線になるが,軽い電子では散乱を受けて曲がった道筋となる。荷電粒子が物質に入射してからその運動エネルギーを失うまで物質中を走った直線距離を飛程という。

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世界大百科事典内の飛程の言及

【イオン打込み】より

…基体材料とは異なる元素のイオンを,数keV~数MeVのエネルギーに加速して基体表面に打ち込み,表面の改質を行う方法。イオンに加えるエネルギー(加速電圧)および電流を変えることによって,表面からイオンが入る距離(飛程という)および濃度を容易に制御することができる。また表面に適当なパターンのマスクをかけることによって,平面分布をもった改質層をつくることができる。…

※「飛程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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