食合う(読み)クイアウ

デジタル大辞泉 「食合う」の意味・読み・例文・類語

くい‐あ・う〔くひあふ〕【食(い)合う】

[動ワ五(ハ四)]
互いに相手や相手のものを食う。また、互いに相手の領域を侵す。「ピラニアどうしが―・う」「選挙地盤を―・う」
一つのものを一緒に食べる。「同じ釜の飯を―・った仲」
組み合わせた部分がよく合わさる。かみ合う。「二つ歯車が―・う」

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精選版 日本国語大辞典 「食合う」の意味・読み・例文・類語

くい‐あ・うくひあふ【食合】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. 相手や、相手のものを互いに食う。また、互いにかむ。かみ合う。
      1. [初出の実例]「山に二の狼の相闘(クヒアヒ)て血に汙(ぬ)れたるに」(出典日本書紀(720)欽明即位前(寛文版訓))
    2. 物を組み合わせた箇所が、互いにしっくりはまる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    3. 取引相場で、約定した売りと買いとがうまく組み合う。
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. 一つのものをいっしょに食う。
      1. [初出の実例]「ひとつ鍋の物を食合(クヒヤ)ふ者だから」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)四)
    2. 互いに相手の勢力範囲領分を侵す。
      1. [初出の実例]「その次に来るべき〈略〉本当の記述が、前半と互にその功果を食(ク)ひ合(ア)ふやうな形を」(出典:善心悪心(1916)〈里見弴〉)

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