食用にされるカエルの一般名。ショクヨウガエルの別名をもつアメリカ合衆国原産のウシガエルRana catesbeianaをはじめ,カエルは世界各地で食用に供されている。例えば,ヨーロッパトノサマガエルRana esculentaの英名edible frogは食用ガエルを意味し,南アジア産トラフガエルRana tigrinaはもも肉の味から水鶏(ツイコイ)と呼ばれる。アマゾン川流域ではアベコベガエルPseudis paradoxaの全長25cmに達するオタマジャクシまでが,市場で売られている。
執筆者:松井 孝爾
フランス料理ではグルヌイユgrenouilleと呼び,皮をむいた骨つきの後肢を用いる。鮮度のよいことが必要で,殺して数時間で死後硬直が終わったときが調理適時となる。殺した直後でもよいが,ややかための料理ができる。白身で鶏肉に準じて扱われ,中国では田鶏(テイエンチー)という。タンパク質19.9%,脂質は少なく0.3%で淡白ではあるが,かすかに特有のくせがあるのでこれに合わせた調理,味つけをする。空揚げ,マリネ,ムニエル,シチュー,煮つけ,みそいために適する。ほかに日本では赤ガエルを剝皮し内臓を除いて付け焼きにする。昔は子どもの疳(かん)の薬といわれ,赤蛙売の行商人の姿も見られた。
執筆者:平野 雄一郎
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…一般に食用ガエルの名で知られるアカガエル科の1種(イラスト)。アメリカ合衆国東部・南部の原産で,食用として世界各地に移入され,日本には1918年にニューオーリンズから初めて14匹が輸入され,各地で養殖が始められた。それらの脱出した個体が増えたりして定着し,現在では北海道から石垣島まで各地の池や沼に分布している。体長15~20cmの大型ガエルで目の後方に大きな鼓膜があり,その直径は雄のほうが雌よりも大きい。…
※「食用蛙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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