コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

食道潰瘍 しょくどうかいようulcer of the esophagus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

食道潰瘍
しょくどうかいよう
ulcer of the esophagus

食道に潰瘍を形成する疾患で,原因や部位によって,消化性食道炎を伴う潰瘍,消化性食道炎を伴わず,異所性胃粘膜による潰瘍,それに食道胃粘膜接合部潰瘍の3つに分けられる。症状は嚥下困難,胸骨後部痛,みぞおちの痛みなどが多く,吐血,嘔吐,反芻などがこれに次ぐ。ほとんどが逆流性食道炎によるので,逆流,嘔吐の予防が重要である。治療には,食道や胃に負担をかけない食事,抗コリン剤局所麻酔薬が用いられるが,激しい疼痛,出血,狭窄,潰瘍の穿孔などが予想される場合は,外科的治療も必要である。食道潰瘍は日本ではまれな疾患で,欧米でも胃・十二指腸潰瘍の 3.5~8.0%にすぎない。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

家庭医学館の解説

しょくどうかいよう【食道潰瘍 Esophageal Ulcer】

[どんな病気か]
 食道粘膜(ねんまく)の一部が壊れてなくなり、えぐれたような病変ができます。
[原因]
 多くは、胃液や十二指腸液(じゅうにしちょうえき)が逆流してきて、食道粘膜を溶かす消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)で、逆流性食道炎(「食道炎」)にともなっておこります。
 腐食性食道炎、薬剤性食道炎(「食道炎」)にともなっておこることもあります。
 クローン病ベーチェット病ヘルペス、強皮症(きょうひしょう)の症状のこともあります。
[症状]
 飲み込みにくさ(嚥下困難(えんげこんなん))、胸骨(きょうこつ)(胸の中央に、縦に長く触れる骨)の裏側の痛みなどを感じるケースもありますが、無症状で、食道や胃の検査で偶然、発見されるものもあります。
[治療]
 食道炎と同じように、粘膜保護薬、胃酸分泌抑制薬(いさんぶんぴつよくせいやく)やたんぱく分解酵素阻害薬を使用します。
 睡眠2時間前の飲食はやめる、脂肪の多い食事・アルコールコーヒーの摂取は控えるなどの日常生活の注意を守ることも必要です。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

世界大百科事典内の食道潰瘍の言及

【食道】より

…また一般に胃の消化不良のときは,噴門の閉じ方が不完全となり,不快な胸焼け,おくび,口臭などの原因となる。【和気 健二郎】
[食道のおもな病気]
 食道のおもな病気には食道閉鎖症,食道異物,食道炎,食道潰瘍,食道アカラシア,食道癌,食道憩室などがある。(1)食道閉鎖症 先天的に食道の一部が欠損し内腔が連続していない奇形である。…

※「食道潰瘍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報