家庭医学館 「食道潰瘍」の解説
しょくどうかいよう【食道潰瘍 Esophageal Ulcer】
食道粘膜(ねんまく)の一部が壊れてなくなり、えぐれたような病変ができます。
[原因]
多くは、胃液や十二指腸液(じゅうにしちょうえき)が逆流してきて、食道粘膜を溶かす消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)で、逆流性食道炎(「食道炎」)にともなっておこります。
腐食性食道炎、薬剤性食道炎(「食道炎」)にともなっておこることもあります。
クローン病、ベーチェット病、ヘルペス、強皮症(きょうひしょう)の症状のこともあります。
[症状]
飲み込みにくさ(嚥下困難(えんげこんなん))、胸骨(きょうこつ)(胸の中央に、縦に長く触れる骨)の裏側の痛みなどを感じるケースもありますが、無症状で、食道や胃の検査で偶然、発見されるものもあります。
[治療]
食道炎と同じように、粘膜保護薬、胃酸分泌抑制薬(いさんぶんぴつよくせいやく)やたんぱく分解酵素阻害薬を使用します。
睡眠2時間前の飲食はやめる、脂肪の多い食事・アルコール・コーヒーの摂取は控えるなどの日常生活の注意を守ることも必要です。