首都機能移転(読み)しゅときのういてん

共同通信ニュース用語解説 「首都機能移転」の解説

首都機能移転

高度経済成長以降の人口過密や地価高騰など東京一極集中の問題を解消するため、1960年代以降たびたび議論が持ち上がった。75年に議員連盟発足自民党の金丸信元副総理がけん引して与野党の200人超が参加した。90年、衆参両院で国会移転決議にこぎ着け、政治課題のテーブルに載せる役割を果たす。皇居を含め名実ともに首都を移転するのは「遷都」。国会や首相官邸中央省庁最高裁などの移転にとどめる首都機能移転と区別している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「首都機能移転」の意味・わかりやすい解説

首都機能移転
しゅときのういてん

国会や行政司法の中枢機能を東京の 60km圏外の地域へ移転する構想。「国会等の移転」ともいわれる。東京への一極集中に伴う首都圏の人口過密と地価高騰,同時被災による首都機能麻痺への不安などを是正する抜本的対策として打ち出された。1960年前後から,学者や研究機関による遷都・分都論といった提言が出され,政府の第3次全国総合開発計画(1977),第4次全国総合開発計画(1987)でも首都機能移転にふれている。1990年,国会等の移転に関する決議が衆議院参議院で採択され,1992年2月に国土庁長官の私的諮問機関である首都機能移転問題に関する懇談会が中間報告を発表。同年12月には国会等の移転に関する法律が施行された。こうした経緯を経て,1999年に国会等移転審議会が内閣総理大臣に提出した答申において,「栃木・福島地域」「岐阜・愛知地域」「三重・畿央地域(京都府,滋賀県,奈良県,三重県にまたがる地域)」が移転先候補地として選定された。

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