中世・近世に主将の馬側に近侍して護衛にあたった騎馬の武士、およびその職名。南北朝時代には単に主将の傍らに供奉(ぐぶ)する武士をいったが、戦国時代末期から職制化され、とくに武功の者が任命されて、数組に編成されそれぞれに組頭が置かれるようになった。豊臣(とよとみ)家では7組に編成されて七手組(しちてぐみ)と称し、江戸幕府では小姓組(こしょうぐみ)と称して6組あり、各組に4000石高の番頭(ばんがしら)1名、1000石高の組頭1名、300俵高の番士50名がおり、平時には江戸城内の警備などにあたった。諸藩でも馬廻組、小姓組、大小姓組などと称して設置されていた。近世中後期に実戦部隊としての価値がなくなると、主君に近侍する格式として、上級家臣の閑職となったところもある。
[根岸茂夫]
…織田信長が彼の馬廻のなかから戦功の者20人をもって〈母衣衆〉を定めるなどのこともあった。江戸時代には幕府や藩に馬廻組が置かれ,組頭に統率された騎馬隊として,1組40‐50人を定員としたが,のちには組数を減じ,組の員数を増す傾向が生まれた。馬廻組を小姓組とも言う。…
※「馬廻組」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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