馬鎧(読み)ウマヨロイ

デジタル大辞泉 「馬鎧」の意味・読み・例文・類語

うま‐よろい〔‐よろひ〕【馬×鎧/馬甲】

昔、軍馬に着せた武具馬面ばめん胸甲むなよろい尻甲しりよろいからなる。

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精選版 日本国語大辞典 「馬鎧」の意味・読み・例文・類語

うま‐よろい ‥よろひ【馬鎧】

〘名〙 軍陣に際して乗馬につける防御用の武具。額から鼻面(はなづら)にかけておおう馬面(ばめん)と、胸から左右の平頸(ひらくび)にかけての胸甲(むなよろい)、背通りから左右の琵琶股(びわもも)にかけての尻甲(しりよろい)からなる。また、特に馬面を除いた胸甲と尻甲の部分をいうこともある。
令義解(833)軍防「具装者。馬甲也」
上杉家文書‐(年未詳)(室町)一〇月七日・将軍家足利義晴御内書「馬面・馬鎧之事被仰候処到来候畢」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬鎧」の意味・わかりやすい解説

馬鎧
うまよろい

馬甲とも書く。軍馬に着せる鎧。『令義解 (りょうのぎげ) 』に「馬甲」とあり,『太平記』に畑六郎左衛門が愛馬に「鎖の冑 (甲〈よろい〉の誤り) 懸けさせ」とある。また『明徳記』にも「金鎖の馬鎧」の記述がみられる。南北朝室町時代には馬鎧が相当用いられたようで,革の角板札 (ざね) や方形鉄札を布に綴じつけたものが多い。

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世界大百科事典(旧版)内の馬鎧の言及

【甲冑】より

…これらの馬衣は裾が長く,歩兵の襲撃に対して最も弱い四肢の防護を意図していたが,速度を減殺する欠陥があった。 16世紀には騎乗者の甲冑と一そろいになった鋼板による馬鎧が出現する。これは四肢を露出するが,新しい問題は重量であった。…

【馬甲】より

…青銅または鉄の小札(こざね)をとじ合わせてつくった馬の身を防護する武具。馬鎧(うまよろい)の語も使用する。馬甲の初現についてはなお確かでないが,2~3世紀のパルティア人がこれを使用していたことは,シリアのドゥラ・ユーロポス出土の青銅製小札をつづった馬甲の実物と,同遺跡の住居で発見された,甲冑に身を固め槍を手にした戦士が甲をつけた馬を駆る壁面線刻画によって知ることができる。…

※「馬鎧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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