高勝寺(読み)こうしようじ

日本歴史地名大系 「高勝寺」の解説

高勝寺
こうしようじ

[現在地名]岩舟町静

奇岩怪石をもって知られる岩舟山(一七二・七メートル)山頂にあり、南麓から六〇〇段の石段が通じる。岩舟山は山全体が舟の形をしており、西方の舳に本堂、艫に賽の河原堂がある。岩舟山蓮華院と号し、天台宗本尊地蔵菩薩で、岩舟地蔵の名で親しまれている。もと上野寛永寺末。延享元年(一七四四)の「岩船山縁起絵巻」によれば、宝亀年中(七七〇―七八一)伯耆国大山だいせん山麓の弘誓坊明願が、生身の地蔵菩薩を求めて当地に至り開山したという。応永五年(一三九八)の「伯耆国大山寺縁起」に本尊である生身の地蔵に関する霊験譚が載る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高勝寺」の意味・わかりやすい解説

高勝寺
こうしょうじ

栃木県栃木市岩舟町静にある天台宗の寺。山号は岩船山(いわふねさん)。本尊は日本三大地蔵の一つ生身地蔵菩薩(しょうしんじぞうぼさつ)で、通称、岩船地蔵ともいわれる。777年(宝亀8)に伯耆国(鳥取県)大山(だいせん)の麓(ふもと)に住していた弘誓坊明願(ぐせいぼうみょうがん)が夢告を得て生身地蔵を拝し、堂宇建立したのに始まるという。のちに徳川吉宗(よしむね)が施主となり本堂を再建したが、1926年(大正15)に焼失。現在、1751年(宝暦1)建立の三重塔、「岩船地蔵縁起」5巻などがある。

[中山清田]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の高勝寺の言及

【田峯の田楽】より

…民俗芸能。愛知県北設楽(きたしたら)郡設楽町田峯の高勝(こうしよう)寺観音堂で行われる田楽で,例年2月11日の昼から深夜にわたって行われる。本来は修正会(しゆしようえ)の行事で,1968年までは陰暦1月17日から18日朝まで行われていた。…

※「高勝寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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