鬼胡桃(読み)オニグルミ

精選版 日本国語大辞典 「鬼胡桃」の意味・読み・例文・類語

おに‐ぐるみ【鬼胡桃】

  1. 〘 名詞 〙 クルミ科の落葉高木。各地の山野の渓流沿いに多く生える。高さ二〇メートル以上に達するものもある。幹は直立し、太い枝を広く張り出し、若枝には黄褐色の軟毛を密生する。葉は九~一五個の卵状長楕円形の小葉に分かれる。雌雄同株。花は五月ごろ咲き、雄花穂は長さ一五~三〇センチメートルの黄緑色で前年の枝から垂れ下がり、雌花穂は新枝の先に直立する。果実は径約三センチメートルの球形で密に毛におおわれ、殻には深いしわがあり非常に堅い。材は家具・器具材とされ、樹皮草木染めに用い、果実は食用とする。漢名に山胡桃をあてるが別種という。くるみ。やまぐるみ。みぐるみ。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「いかなる、おにくるみをも、かみわらんと、たしなみをきし」(出典:御伽草子・鼠の権頭(室町時代物語大成所収)(室町末))

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世界大百科事典(旧版)内の鬼胡桃の言及

【クルミ(胡桃)】より

…園芸上は堅果(殻果)類に分類される落葉果樹。日本の山野に自生しているクルミにはオニグルミJ.sieboldiana Maxim.(イラスト,イラスト)とヒメグルミJ.subcordiformis Dode(イラスト)とがある。栽培種には,ペルシア,カフカス地方の原産で明治初年にアメリカから導入されたペルシアグルミJ.regia L.と,古い時代に中国から朝鮮半島を経て渡来したテウチグルミJ.regia L.var.orientalis Kitamura(イラスト)とがある。…

※「鬼胡桃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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