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鶊山姫捨松 ひばりやまひめすてまつ

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世界大百科事典 第2版の解説

ひばりやまひめすてまつ【鶊山姫捨松】

人形浄瑠璃時代物。5段。並木宗輔作。通称《中将姫》。1740年(元文5)2月大坂豊竹座初演。大和の当麻(たいま)寺に残る中将姫伝説に拠ったもの。中将姫は,父藤原豊成菩提を弔うため,蓮の糸で曼陀羅を織ったとか,継母に雲雀山(ひばりやま)に捨てられたとか伝えられている。この伝説が,謡曲《雲雀山》《当麻(たえま)》に始まり,人形浄瑠璃では,1696年(元禄9)4月大坂竹本座の《当麻中将姫》,歌舞伎では,98年大坂荒木与次兵衛座の《当麻中将曼陀羅の由来》など,多くの作品に脚色されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

山姫捨松
ひばりやまひめすてまつ

浄瑠璃義太夫(じょうるりぎだゆう)節。時代物。五段。並木宗輔(そうすけ)作。1740年(元文5)2月、大坂・豊竹(とよたけ)座初演。謡曲『雲雀山(ひばりやま)』『当麻(たえま)』や古浄瑠璃に扱われた中将姫の伝説を原拠とした作で、通称「中将姫」。三段目「雪責め」のくだりが名高い。右大臣横萩豊成の後妻岩根(いわね)御前は、王位をねらう長屋王子に頼まれ、継子中将姫の預かる観世音の像を奪い、その罪を姫になすりつけ、雪中で折檻(せっかん)する。しかし、姫は忠節な侍女たちに助けられ、父の慈悲で山へ逃れる。美女を雪中で責めるサディスティックな美しさは、歌舞伎(かぶき)ではとくに顕著で、「責め場」の代表的なものになっている。[松井俊諭]

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