鶴居(読み)つるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶴居」の意味・わかりやすい解説

鶴居(村)
つるい

北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の村。1937年(昭和12)舌辛(したから)村(現、釧路市)から分村。国道274号が通じる。JR釧網(せんもう)線は、南東村域外の弟子屈(てしかが)町域および釧路市域を通っている。根釧(こんせん)台地を南流する雪裡(せつり)川などの流域で、南部釧路湿原が占める。村名は特別天然記念物タンチョウヅルが生息することによる。2015年(平成27)の農家数は約90戸であるが、農用地約9500ヘクタールのうち大部分が牧草地で、乳牛頭数は1万3000頭に及ぶ。また肉牛ブタウマ飼育も行われる畜産の村。釧路湿原釧路湿原国立公園に指定され、ラムサール条約登録湿地。宮島岬は湿原展望地となっている。鶴見台はタンチョウヅルの観察地。面積571.80平方キロメートル、人口2558(2020)。

[進藤賢一]

『『鶴居村史』(1987・鶴居村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「鶴居」の意味・わかりやすい解説

鶴居[村] (つるい)

北海道東部,釧路支庁阿寒郡の村。人口2627(2010)。タンチョウ(特天)の生息する村として有名。阿寒カルデラの南麓にあり,釧路川の支流幌呂(ほろろ)川,雪裡(せつり)川が南流,南の釧路市にかけて広大な泥炭地の釧路湿原が広がる。1916年に移民入植,大正中期には団体入植も行われた。約1万頭の乳牛を飼育し,大規模な牧草地造成や開拓パイロット事業が進められている。タンチョウはヨシなどの茂る湿原でドジョウタニシなどを食べ,留鳥として生息する。湿原植物,湿原動物の宝庫でもあり,村域の一部は天然保護地域に指定されている。阿寒岳の展望にすぐれる鶴見峠がある。
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百科事典マイペディア 「鶴居」の意味・わかりやすい解説

鶴居[村]【つるい】

北海道東部,阿寒郡の村。釧路市の北隣で,釧路湿原の広い低湿地を含み,タンチョウ(特別天然記念物)の生息地として知られる。冬季は餌を与え,繁殖,保護が図られている。1980年に釧路湿原の一部がラムサール条約登録湿地となる。571.80km2。2627人(2010)。

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