黒岳(読み)くろだけ

改訂新版 世界大百科事典 「黒岳」の意味・わかりやすい解説

黒岳 (くろだけ)

飛驒山脈(北アルプス)中央部,黒部川源流部にある山。山体を東側からみると山名の通り黒くみえるが,山頂付近に水晶を産するので水晶岳ともいう。標高2986m。富山市に属し,鷲羽(わしば)岳と野口五郎岳をつらねる山稜から北に派出して赤牛岳(2864m)につづく支脈中の主峰で,花コウ岩からなり,一部結晶片岩が露出する。山稜部はのこぎり歯状の高山地形を呈し,東側の東沢谷の斜面上部には小氷河の浸食によって生じた小圏谷が,東沢乗越までの間に6個並んでいる。西側は雲ノ平との間に岩苔(いわごけ)小谷が北流して黒部川に合流する。小谷の東側には大規模な段丘面の高天原(たかまがはら)(岩苔平ともいう)があり,ここには湿原があり温泉が湧いて別天地のおもむきがある。奥深い山であるが,烏帽子(えぼし)縦走路の途中,水晶小屋から北に山稜沿いに敷設されている登山路〈読売新道〉をつたえば容易に山頂に達することができる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒岳」の意味・わかりやすい解説

黒岳
くろだけ

富山県南東端,飛騨山脈黒部川源流付近にある山。水晶岳ともいう。標高 2986m。富山市に属する。花崗岩,結晶片岩からなり,水晶を産する。東側には大小カール (圏谷) がある。中部山岳国立公園に含まれる。

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