出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
飛驒山脈の後立山連峰南部,長野県大町市と富山市との境界に位置する山。標高2924m。山体は中生代白亜紀の花コウ岩で構成される。山頂付近の稜線は比較的なだらかで,森林限界をこえているため風化した白色の巨礫の岩海が覆う。この景観をこの地方ではゴーロといい,〈五郎〉の名がついたという。〈野口〉はふもとの大町付近の集落名に由来する。また古くは五六岳とか四五六岳とも呼ばれていた。山頂西側には大型のカール地形がみられ,カール底には五郎池がある。稜線部の登山道は裏銀座縦走路と呼ばれ人気が高く,山頂北側の砂礫地には野口五郎小屋がある。山頂へは高瀬川水系の高瀬ダム付近からブナ立尾根,烏帽子(えぼし)小屋経由のコースが一般的で,山麓から約10時間かかる。
執筆者:伊藤 真人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
長野・富山県境にある北アルプス中央部の一峰。標高2924メートル。南に続く三俣蓮華(みつまたれんげ)岳、双六(すごろく)岳、樅沢(もみさわ)岳、槍(やり)ヶ岳などと裏銀座とよばれる縦走路をなす。東側は高瀬渓谷に対し急斜面、西側は黒部渓谷に対して緩斜面をなす。山頂南西部に氷食地形のカールがあって、その谷底に五郎池がある。全山花崗(かこう)岩からなり、山名は、花崗岩が風化して豆粒状になったものを地元でゴーロとよぶことによるといわれる。
[小林寛義]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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