ABM制限条約(読み)エービーエムせいげんじょうやく(その他表記)Treaty between the United States of America and the Union of Soviet Socialist Republics on the Limitation of Anti-Ballistic Missile Systems

共同通信ニュース用語解説 「ABM制限条約」の解説

ABM制限条約

弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約 弾道ミサイルを撃ち落とすABMの保有によって、先制攻撃の誘惑が増して核抑止が崩れるのを防ぐため、1972年に米国とソ連調印両国全土を守る大規模なミサイル防衛システムの配備のほか、海上、空中発射型の迎撃実験などを禁じた。98年の北朝鮮の長距離ミサイル「テポドン」発射などを受け、ミサイル防衛の導入を急ぐブッシュ(子)政権がこの条約を障害とみなし、2001年12月、条約維持を求めるロシアのプーチン政権に離脱通告、半年後に失効した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ABM制限条約」の意味・わかりやすい解説

ABM制限条約
エービーエムせいげんじょうやく
Treaty between the United States of America and the Union of Soviet Socialist Republics on the Limitation of Anti-Ballistic Missile Systems

第1次戦略兵器制限取決め SALT1の成果の一つとして結ばれた弾道ミサイル迎撃ミサイルABM制限に関する条約。 1972年5月 26日にモスクワで調印され,10月3日に発効,2002年6月 13日失効した。 ABMは相手方の大陸間弾道ミサイルICBMや潜水艦発射弾道ミサイルSLBMを弾道飛行中に迎撃・破壊するミサイルで,これにより核抑止力が弱まる懸念が生じたため制限条約が設けられた。条約によって米ソ両国が配備可能な ABMは2地域計 200基となり,1974年7月3日には同条約の付属議定書が調印されて配備が1地域に限られた。 80年代にアメリカの戦略防衛構想SDI計画をめぐって米ソ間で ABM制限条約の解釈論争が生じた。冷戦終結後,アメリカは新たにミサイル防衛計画を推進,2001年 12月 13日,計画の妨げとなる ABM制限条約からの脱退をロシアに通告し,6ヵ月後,同条約は失効した。

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