EDTA(読み)イーディーティーエー

デジタル大辞泉 「EDTA」の意味・読み・例文・類語

イー‐ディー‐ティー‐エー【EDTA】[ethylenediaminetetraacetic acid]

ethylenediaminetetraacetic acidエチレンジアミンテトラ酢酸略称

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化学辞典 第2版 「EDTA」の解説

EDTA
イーディーティーエー

ethylenediaminetetraacetic acid(エチレンジアミン四酢酸)の略称.C10H16N2O8.H4Yともしばしば略記される.

この酸H4Yの四つの解離定数は次のような値をとる.

    H4Y + H2O H3O + H3Y

     pKa1 1.02 × 10-2(pKa 1.99)

    H3Y + H2O H3O + H2Y2-

     pKa2 2.14 × 10-3(pKa 2.67)

    H2Y2- + H2O H3O + HY3-

     pKa3 6.92 × 10-7(pKa 6.16)

    HY3- + H2O H3O + Y4-

     pKa4 5.50 × 10-11(pKa 10.26)

pH 2以下ではH4Y,pH 5程度ではH2Y2-,pH 8程度ではHY3-,pH 12以上では Y4- が主として存在する.無色結晶性粉末,融点240 ℃(分解).水100 mL に対する溶解度は0.2 g(22 ℃).5% 以下の無機酸に易溶.アルカリ土類金属イオン,希土類金属イオン,遷移金属イオンなどと安定なキレート化合物をつくる.この性質を利用して,金属イオンの定量分離マスキングなどに利用される.[CAS 60-00-4][CAS 6381-92-6:二ナトリウム塩]

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改訂新版 世界大百科事典 「EDTA」の意味・わかりやすい解説

EDTA (イーディーティーエー)



エチレンジアミン四酢酸ethylenediaminetetraacetic acidの頭文字をとった略称。上図の化学式で表される四塩基酸。融点240℃(分解)の結晶性粉末であるが,通常は三ナトリウム二水和物の形で市販されている。水によく溶け,アルカリ土類,希土類,遷移金属など多くの金属陽イオンと水溶性の安定な錯体を形成する。この際,ふつう4個のカルボキシル基のほかに2個のアミノ基の窒素原子が加わった六座配位子,あるいは五座配位子として作用し,金属イオンと1対1のモル比で結合する。たとえば,Ca2⁺に対して図の構造をもつEDTA錯体が形成される。溶けにくい固体の塩に対しても,金属陽イオンに配位し,溶液中に容易に溶かし出すため,有害金属の除去,硬水軟化,希土類元素の分離などに広い用途をもつ。金属に対する指示薬の存在下で,金属イオンをEDTAで滴定すればイオン濃度を定量することができる。これをEDTA滴定(キレート滴定)という。
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百科事典マイペディア 「EDTA」の意味・わかりやすい解説

EDTA【イーディーティーエー】

エチレンジアミン四酢酸(ethylendiaminetetraacetic acid)の略称。化学式は(HOOCCH22NCH2CH2N(CH2COOH)2。無色の結晶。融点240℃(分解)。多くの金属イオンと安定な水溶性キレート化合物をつくるので,金属イオンの分析,分離,除去に用いられる。ゴム,ビタミンC,植物油,医薬,食品などの酸化微量の金属イオンの触媒作用によることが多いので,その防止剤として,またボイラーの清浄剤,硬水の軟化剤などにも使用。(図)
→関連項目キレート滴定鉛中毒

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「EDTA」の意味・わかりやすい解説

EDTA
いーでぃーてぃーえー

エチレンジアミン四酢酸

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栄養・生化学辞典 「EDTA」の解説

EDTA

 →エチレンジアミン四酢酸

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「EDTA」の意味・わかりやすい解説

EDTA
イーディーティーエー

「エチレンジアミン四酢酸」のページをご覧ください。

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