LMS(読み)エルエムエス

デジタル大辞泉 「LMS」の意味・読み・例文・類語

エル‐エム‐エス【LMS】[learning management system]

learning management systemeラーニングなどで、学習者の成績や学習教材などを教師が統合的に管理するためのシステム。学習者自身が自分の学習の習熟度を把握できるほか、学習者どうしまたは学習者と教師の間でコミュニケーションを図るための電子掲示板BBS)の機能をもつものなどがある。ラーニングマネージメントシステム学習管理システム

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「LMS」の意味・わかりやすい解説

LMS
えるえむえす

Learning Management System(学習管理運営システム)の略で、eラーニングシステムにおける重要なモジュールあるいはサブシステムの一つである。集合教育や集合研修の予約・出欠管理、レポート提出、受講者への連絡・返信の有無など、eラーニングにとどまらない学習あるいは研修全体の管理を行う機能を有している。1960年代に開発と利用が推進されたCMIシステムにおいては、パソコン等を利用する学習者がともすれば孤立化しがちであったが、LMSではインターネットを介することによって学習者が協力しながら知恵を出し合って働く「協働」(コラボレーションcollaboration)できることも一つの特色と考えられている。異なるLMSでも同じ教材コンテンツが利用できるように、SCORM(Sharable Content Object Reference Model)とよばれる世界的な標準化の採用が進み、学習資源の共有化や、高品質の学習教材の安価な入手が期待されている。

 したがって、LMSに具体的に求められる機能は、(1)受講申請者受付および講座の開設時間割の最適化、管理者に対する受講者からの問い合わせの受け付け、それに対する管理者からの回答支援、学習の進捗状況の一覧、そして受講者からの質問に回答できる機能に代表される「運用管理機能」、(2)テストアンケート、レポート課題等から構成されたeラーニング教材の制作およびモバイル機器からも通常のコンピュータシステムからと同様に登録できるように支援する「学習管理機能」、(3)モバイル端末による利用も含め掲示板チャット、レビュー、公開の情報空間を有して、学習等へのモチベーションの維持と高揚を推進する「コミュニケーション機能」の三つであろう。

 最近では、ナレッジマネジメントやHRM(Human Resource Management、「人的資源管理」「人材マネジメント」と訳される)との連携により人材育成管理の枠を超えた企業の戦略システムの一環として利用されるようにもなっている。

[篠原文陽児]

『大浦勇三著『ナレッジ・マネジメント革命』(1998・東洋経済新報社)』『坂元昂監修、中原淳・西森年寿編著『eラーニング・マネジメント――大学の挑戦』(2003・オーム社)』『NPO法人日本イーラーニングコンソシアム編『eラーニング導入ガイド』(2004・東京電機大学出版局)』

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