PTA(読み)ピーティーエー

デジタル大辞泉 「PTA」の意味・読み・例文・類語

ピー‐ティー‐エー【PTA】[Parent-Teacher Association]

Parent-Teacher Association》父母と教師の会。子供の福祉と教育効果の向上を目的とし、父母・教師が相互に協力して学校単位に組織された団体。日本では米国に範をとり、第二次大戦後に発足。一般に、PTAの会員になるかどうかは保護者が自由に決められる。

ピー‐ティー‐エー【PTA】[purified terephthalic acid]

purified terephthalic acid》高純度テレフタル酸。ポリエステル系合成繊維・フィルムなどの原料。

ピー‐ティー‐エー【PTA】[prepaid ticket advice]

prepaid ticket advice》航空旅客運賃先払い制度。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「PTA」の意味・読み・例文・類語

ピー‐ティー‐エー【PTA】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Parent-Teacher Association の略 ) 家庭と学校との関係を緊密にし、児童青少年の健全な発達をはかることを目的に組織された父母と教師の協力団体。日本では第二次世界大戦後、アメリカに範をとり、各学校ごとに組織された。
    1. [初出の実例]「こうなればどの宣言を採用すべきかで、いたるところのPTAで乱闘がはじまったりするかもしれぬ」(出典:ブラリひょうたん(1950)〈高田保〉教育宣言取締法)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「PTA」の意味・わかりやすい解説

PTA (ピーティーエー)

父母と教師を構成員とする団体。〈父母と先生の会Parents and Teachers Association〉の略。19世紀末アメリカで起きた児童福祉のための母親運動が始まりで,市や町の環境浄化活動や教育条件の整備向上を進める団体の集まりである〈父母と教師の全国協議会National Congress of Parents and Teachers〉(1924結成)が最も有名である。日本でも,第2次大戦中までは父兄会後援会,保護者会などがあったが,おもに学校の財政面・物質面に奉仕する団体であった。戦後,教育基本法の公布,6・3・3制の学校教育制度の発足とともに,PTAが誕生した。これは1946年3月に来日したアメリカの第1次教育使節団の報告書と翌47年3月この示唆をうけた文部省通達〈父母と先生の会--教育民主化の手引〉にのっとって全国の小・中・高の学校単位につくられた(1948年4月の文部省調査によれば,小学校85%,中学校83%,高等学校65%)。

 日本のPTAは発足当時,次の目的を実現することが期待された。(1)児童青少年の福祉の増進,(2)市民の権利と義務の理解をうながす成人教育の振興,(3)民主教育の理解の推進,(4)家庭と学校の連携協力,(5)父母,教師,一般社会の協力による児童青少年の健全育成,(6)学校教育環境の整備,(7)児童青少年の補導,保護,福祉に関する法律の制定,(8)公立学校の教育予算の確保,(9)地域の社会教育の振興,(10)国際親善,の各項である(〈父母と先生の会参考規約〉1948)。こうしてPTAは子どもの幸せを守り,増進する自主団体として,教育問題の学習,父母と教師の親睦,環境浄化の奉仕活動,教育世論の形成などを推進していくことになった。しかし,そのほとんどが従来の後援会や父兄会などの性格をのこしたままであり,くわえて全員自動加入,学校単位の組織,在籍児童・生徒の両親に限る会員制,学校後援会的な性格など,アメリカとちがって市民団体的な性格が弱いために,学校の付属機関のような存在になりやすく,一部有力者の支配する形式的行事中心のPTAが少なくない。

 この傾向に対して,役員選出の民主化,任意加入制への切替え,地域単位のPTAづくり,成人教育活動の振興に努力するPTA改革の動きも進んできた。とくにPTAの主体である母親会員は,生活環境の浄化,小児麻痺ワクチンの緊急輸入,高校増設の要求,公教育費の私費負担の軽減などに活躍し,広報委員会や成人教育委員会の活動を通して女性運動の活動家も生まれた。今日,主婦のパート労働への進出,受験教育の激化などで,役員・委員のなり手がなく,さらにはPTAのない学校も出てきたが,校内暴力や非行の増加から〈地域の教育力〉の回復に努力しているPTAも少なくない。現在,PTAの全国組織として,日本PTA全国協議会(1952結成)や,全国PTA問題研究会(1971結成)がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

知恵蔵mini 「PTA」の解説

PTA

生徒の保護者と教師(教職員)により構成される学校単位の団体。「Parent-Teacher Association」の頭文字をとった呼称。19世紀末に米国で起こった児童福祉のための母親運動を発祥とする。日本では、第2次大戦後にアメリカ教育使節団の勧告や連合国軍総司令部(GHQ)の指導があり、文部省(当時)の協力により1947年以降全国の小中高校に普及した。生徒の教育環境の向上や健全な育成などを目標とし、保護者と教師が自主的に結成・運営する。参加・脱退は各人の任意だが、日本では慣習として全員参加が前提になっている場合がほとんどで、近年では保護者・教師双方にとり重荷になると問題提起されている。

(2016-6-2)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

百科事典マイペディア 「PTA」の意味・わかりやすい解説

PTA【ピーティーエー】

Parents and Teachers Associationの略。父母と先生の会。子どもの教育効果を高めるために父母と教員が自主的に結成・運営する組織。19世紀末に米国に始まり,1947年以降日本でも各地の小・中・高の学校単位に結成された。全国的な連絡協議会もあり,会員数では最大の社会教育関係団体。本来の活動が停滞し,学校の財政援助団体化したものも多い。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

内科学 第10版 「PTA」の解説

PTA

percutaneous transluminal angioplasty,経皮経管血管形成術

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

今日のキーワード

ぐんまちゃん

群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...

ぐんまちゃんの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android