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STOL機 エストールキ

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デジタル大辞泉の解説

エストール‐き【STOL機】

short takeoff and landing airplane》500メートル前後の短い滑走路で発着できる航空機短距離離着陸機ストール機

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

STOL機
エストールき

短距離離着陸機」のページをご覧ください。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

STOL機
えすとーるき

short take-off and landing aircraftの略称。エスティーオーエル機ともいう。短滑走離着陸機のことで、通常形の飛行機に比べはるかに短い滑走距離で離着陸する。アメリカ連邦航空庁の基準によれば、輸送機の場合460~550メートル程度の滑走路が使用可能であること、また滑走開始から15メートルの高度に達するまでの水平距離(離陸距離)および15メートルの高度から着陸して完全に停止するまでの水平距離(着陸距離)がどちらも610メートル以下であることが要求されている。しかし、現在実用化されているいわゆるSTOL機は、経済性の面から完全なSTOL機にはなっていない。また民間用として使用する場合、一般の輸送機と同じ基準で性能を表す(離着陸滑走路長)ので、前記の基準より長い800~1000メートル程度となるのが普通である。
 航空輸送の発展に伴い、航空路は大都市間はもとより近郊都市間、都心と郊外、大都市周辺に散在する大規模な空港どうし、山間辺地などにも設けられるようになったが、飛行機はしだいに大型化、高速化して離着陸に長い滑走距離を必要とし、そのため長大な滑走路、大規模な施設を備えた飛行場が要求されるようになった。しかし、飛行場の建設、拡張は地域住民の利害関係、公害や権利に関する意識の徹底に伴って、各国とも困難になってきている。また軍用機では、つねに完備した広い飛行場が使用できるとは限らず、前線の不整地への発着も要求され、短い滑走路からの離着陸、あるいは滑走路を使用しないで離着陸できる飛行機は長年の夢として待望されていた。
 こうした背景に基づいて開発されたのがSTOL機およびVTOL(ブイトール)機vertical take-off and landing aircraft(垂直離着陸機)である。STOL機における短い滑走距離と急角度の上昇、降下経路とは、空港周辺に及ぼす騒音被害を低減させ、また、低速度の離着陸は安全性および定時性の向上にも大きな効果が期待できる。STOL機のなかでとくに騒音の低減を考慮した機体をQSTOL(キューエストール)機quiet short take-off and landing aircraftとよんでいる。ヘリコプターを含むVTOL機は、複雑な機構や構造をもち操縦や整備がむずかしく、また特許使用や特殊な機構をもつため機体の価格が高く、そのわりに乗客、貨物の搭載量が少ないため運航費がかさむという欠点がある。それに対しSTOL機は、通常の離着陸を行う飛行機(CTOL(シートール)機conventional take-off and landing aircraft)と大差ない形態と飛行特性をもち、構造的にも大きな相違がないため、VTOL機に比べて機体価格も安く搭載量も多い。つまりVTOL機では、離着陸の際、その全重量を回転翼の揚力またはジェット推力で直接支えなければならないが、STOL機では、フラップやスラットなどの高揚力装置に、前進用のプロペラの後流とかジェットの排気を組み合わせることによって、低速度でも大きな揚力が得られる。このためわずかの前進速度を与えることにより、VTOL機よりもはるかに大きい離陸重量が得られ、エンジン推力も小さくてすむ。
 ことに最近では、小型、軽量で効率のよいタービンエンジンの実用化、プロペラの研究の進歩、輸送形態の確立などから、30~50人乗りの短距離区間の旅客輸送用STOL機が各国でつくられつつある。なお現在STOL機は、プロペラ後流を利用して高揚力装置の性能を向上させるターボプロップ機が多い。しかし一方では、ジェットエンジンの排気を直接フラップに流し、コアンダー効果(速い流れを曲面上に流すと、その流れは向きを変え曲面に沿って流れるようになる)を利用する軍用STOL輸送機(ボーイングYC‐14、ダグラスYC‐15など)がアメリカで試作されたが、予算の関係で開発の継続は中止されている。このような利点をもつSTOL機であるが、短いとはいえ滑走路を必要とすることや、性能を生かしきる運航方式、あるいは空港の整備がまだ完成していないなど不利な面もある。しかもヘリコプターが著しく発達したため、純然たるSTOL機は現在やや中途半端な存在となっている。[落合一夫]

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