精選版 日本国語大辞典 「引締」の意味・読み・例文・類語
ひき‐し・める【引締】
〘他マ下一〙 ひきし・む 〘他マ下二〙
① 引っぱってしめる。強くしめる。
※俳諧・新続犬筑波集(1660)六「から衣きつつわらぢを引しめて やぶらかしぬるたびをしぞおもふ〈三信〉」
② 抱き締める。
※狂歌・豊蔵坊信海狂歌集(17C後)「ひきしめてねる夜もなふて化な名をゆひたてられしかのこ百合哉」
③ 心や体のゆるみをなくす。緊張させる。
ひき‐しま・る【引締】
〘自ラ五(四)〙
① ぎゅっと強くしまる。ぴんと張りつめたようになる。
② 心や体にゆるみ、たるみがなくなる。緊張する。しゃっきりする。
③ 相場が上向きになる。値が上がりぎみになる。
ひき‐しめ【引締】
〘名〙
① ゆるみをなくすこと。また、支出を抑えること。規律などを厳しくすること。「金融の引締」
※志不可起(1727)「心にしめ、或は扡(ヒキ)しめ、或握しめ、懐抱(だき)しめなどの類も」
ひっ‐ち・める【引締】
〘他マ下一〙 (「ひきしめる(引締)」の変化した語)
① 強くしめる。
※雑兵物語(1683頃)上「とっくとたましひをひっちめて、あだ玉をはじき捨ない様にはなしめされう」
② 全体をまとめる。合計する。また、要約する。
※滑稽本・早変胸機関(1810)「ぐっとひっちめた高が」
ひっ‐し・める【引締】
〘他マ下一〙 「ひきしめる(引締)」の変化した語。
※禅鳳雑談(1513頃)上「坂を上がる時、身をかろく持ちて、ひっしめて、そくそくとあがればよし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報