行列計算に特化したコプロセッサー。汎用(はんよう)グラフィク処理ユニットGeneral Purpose Graphic Processing Unitに語源をもつ。GPGPUのアーキテクチャーは、もともとはコンピュータ・グラフィクスのための処理装置(GPU)として開発された。インテル製のX86プロセッサーなど、通常の中央処理装置(CPU)は、データベース処理やネットワークの処理など、さまざまな処理を効率よくこなすが、かならずしもコンピュータ・グラフィクスの計算が得意なわけではない。リアルタイムのコンピュータ・グラフィクスを必要とするコンピュータ・ゲームの世界では、グラフィクス性能を向上させるための専用の拡張ボードが早くから開発されていた。その後、NVIDIA(エヌビディア)社がこのグラフィクス用のアーキテクチャーを、汎用の行列計算に使えるようにソフトウェアライブラリーを整備し、汎用GPU(GPGPU)とよばれるようになった。ディープラーニング(深層学習)が注目されてからは、ディープラーニングの主要な計算が行列計算であるために、その処理を高速化するためのハードウェアとして注目されるようになった。最先端のディープラーニングの訓練には、多数のGPGPUを並列に稼働させることが不可欠となっている。
[丸山 宏 2019年4月16日]
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