現代外国人名録2016 の解説
J.M.G. ル・クレジオ
J.M.G. Le Clézio
- 職業・肩書
- 作家
- 国籍
- フランス
- 生年月日
- 1940年4月13日
- 出生地
- ニース
- 本名
- ル・クレジオ,ジャン・マリ・ギュスターヴ〈Le Clézio,Jean Marie Gustave〉
- 学歴
- ニース大学卒,ブリストル大学,ロンドン大学
- 受賞
- ノーベル文学賞〔2008年〕,ルノード賞〔1963年〕「Le Procès―verbal(調書)」
- 経歴
- 両親ともにフランスからインド洋モーリシャス島に移住した家系で、父は英国籍、母はフランス籍。フランスとモーリシャスの国籍を持つ。アフリカで少年時代の一時期を過ごし、生地のニース大学に学んだのち、英国のブリストル大学に留学。1963年23歳の時、軍隊か病院のような隔離的環境から逃げ出した若者の目に映る世界を詩的に描いた長編「調書」で、フランスの主要な文学賞のひとつルノード賞を受賞、衝撃の文壇デビューを飾った。「調書」に続く’65年の短編集「発熱」、’66年の長編「大洪水」の3作で、神話的な象徴性を帯びた独特の小説世界を確立。’70年から’74年にかけてパナマの先住民と暮らし、’70年代後半からはメキシコの先住民文明に傾倒。「メキシコの夢」(’88年)、「歌の祭り」(’97年)などのエッセイ作品を通じ、西欧が非西欧を破壊、征服した上に立つ現代文明に批判の目を向けた。自我の解体と神話的な世界への志向を、豊かなイメージと奔放な語り口で描き出す特異な文学的世界で知られる。2008年ノーベル文学賞を受賞。他の作品に長編「愛する大地」(1967年)、「戦争」(’70年)、「巨人たち」(’73年)、「海を見たことがなかった少年―モンドほか子供たちの物語」(’78年)、「砂漠」(’80年)、「黄金探索者」(’85年)、「さまよえる星」(’92年)、「パワナ―くじらの失楽園」(’92年)、「ディエゴとフリーダ」(’93年)、「隔離の島」(’95年)、「偶然―帆船アザールの冒険」(’99年)、「はじまりの時」(2003年)、「アフリカのひと 父の肖像」(2004年)、「飢えのリトルネロ」(2008年)、長編エッセイ「物質的恍惚」(1967年)、「悪魔祓い」(’71年)など。2006年39年ぶりに来日。東京のほか北海道や奄美大島などを旅した。2013年末4度目の来日を果たし、東京大学で講演。
出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報