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失楽園 しつらくえん Paradise Lost

翻訳|Paradise Lost

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

失楽園
しつらくえん
Paradise Lost

イギリスの詩人 J.ミルトン叙事詩。 1667年刊。初版は 10巻であったが,再版 (1674) で 12巻に改編。アダムとイブの堕落と楽園追放を描いて「神の道の正しさ」を立証することを主題としている。

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デジタル大辞泉の解説

しつらくえん〔シツラクヱン〕【失楽園】

《原題Paradise Lostミルトンの長編叙事詩。1667年刊。旧約聖書の「創世記」に取材。アダムイブの楽園追放を神とサタンとの争闘のうちに描き、人間の原罪神の恩寵の問題を追求したもの。→復楽園

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百科事典マイペディアの解説

失楽園【しつらくえん】

ミルトン叙事詩。執筆は1658年―1663年ごろ。1667年刊。古代叙事詩の形式にのっとってキリスト教の世界観を雄大に歌いあげたもの。地獄におちたサタンは,禁断の木の実をイブに食べさせるという倨傲(きょごう)な計画を実行し,罪を犯したアダムとイブはエデンの楽園を失う。

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デジタル大辞泉プラスの解説

失楽園

1997年公開の日本映画。監督:森田芳光、原作:渡辺淳一によるベストセラー小説、脚本:筒井ともみ、撮影:高瀬比呂志、美術:小澤秀高、音楽:大島ミチル。出演:役所広司、黒木瞳、寺尾聰、柴俊夫、星野知子木村佳乃中村敦夫ほか。不倫をテーマとする作品ながら、中高年を中心にヒット。第52回毎日映画コンクール美術賞、音楽賞受賞。第40回ブルーリボン賞主演男優賞(役所広司)、第21回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(黒木瞳)受賞。

失楽園

日本のテレビドラマ。放映は日本テレビ系列(1997年7月~9月)。全12回。原作:渡辺淳一の同名小説。脚本:中島丈博。音楽:渡辺俊幸。出演:古谷一行川島なお美十朱幸代菅野美穂ほか。不倫をテーマにしたラブストーリー

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世界大百科事典 第2版の解説

しつらくえん【失楽園 Paradise Lost】

イギリスの詩人ミルトンの長編叙事詩。国民詩人としての使命を自覚していた彼は,若くから国民的テーマによる悲劇または叙事詩の創作を目ざしていた。そのテーマとしては,たとえばアーサー王伝説などが考えられた。しかしピューリタン革命と共和政の20年間を,散文による論争に明け暮れ,ついに深く傷ついたうえで詩作にもどった盲目のミルトンは,テーマを全人類の原罪の問題に移し,ジャンルは叙事詩に定めて,口述筆記による創作に入った。

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大辞林 第三版の解説

しつらくえん【失楽園】

ミルトンの長編叙事詩。一万余行。1667年刊。「創世記」に取材し、アダムとイブの堕落とサタンの神への反逆、神の恩寵おんちようをうたいあげる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

失楽園
しつらくえん
Paradise Lost

イギリスの詩人ミルトンの長編叙事詩。1667年刊。初版は10巻であったが、再版(1674)以降12巻に編成され、これが今日の定本となっている。このイギリス文学最高の叙事詩は、神につくられた最初の人間であるアダムとイブが悪魔セイタン(サタン)に誘惑されて楽園(パラダイス)にある禁断の木の実を食べ、楽園から追放される、という『旧約聖書』の「創世記」の記事を素材としている。そして、作者の意図は、「われ永遠(とこしえ)の摂理を説き/人々に神の慮(おもい)の正しきを明らかにせん」という第1巻の初めに吐露されたことばに示されている。いいかえれば、人間が原罪を犯したにもかかわらず、神は独(ひと)り子イエス・キリストの血による贖罪(しょくざい)という愛と恩寵(おんちょう)の行為を人間に示すことによって人間を救おうとしていることを、ミルトンは読者と自身に向かって明らかにしようとした。楽園における人間に向かって、下から、悪魔(セイタン)と「罪」と「死」といういわば反三位(さんみ)一体の力が作用し、上からは、神と子と聖霊という三位一体の力が作用してゆく。人間(アダムとイブ)は下からの力に屈するが、上からの摂理によってやがて救われることを信じて、楽園を去ってゆく。
 無限の空間と時間を背景に、あるいは地獄の凄惨(せいさん)な様相が、あるいは天国の光輝と調和に満ちた姿が描かれ、そしてその二つの極が指向する、地球上の一角にある楽園の緑の世界が鮮やかに浮かび上がる。すでに失明していたミルトンは、独特の心象と音楽的効果を駆使し、読者の想像力と心情と信仰に、強烈に訴えてくるのである。[平井正穂]
『繁野天来訳『失楽園』(全2巻・1948・大泉書店/全3冊・新潮文庫) ▽藤井武訳『楽園喪失』全3冊(岩波文庫)』

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世界大百科事典内の失楽園の言及

【イギリス文学】より

…ピューリタン革命が起こり,これに全身全霊を打ちこんだミルトンは,彼の奉じた大義の挫折のあとで,あらためて神の意志と人間の運命とを問い直す大叙事詩に筆を染めた。《失楽園》(1667)に教会の朗々たるパイプ・オルガンの響きを聞くのは,おそらくいろいろな意味において正しい。それは《ベーオウルフ》の地ふぶきでもなく,〈王党派〉詩人の室内楽でもなかった。…

【ミルトン】より

…〈叙事詩時代〉と呼ぶべき第3期である。すでに全盲であったからすべては口述筆記によってなされたが,《失楽園》(1667)は英詩史上冠絶する最高の叙事詩である。《復楽園》はその続編とも呼ぶべく,古典ギリシア的手法による悲劇詩《闘士サムソン》と合本で71年に出版された。…

【楽園】より


[楽園としての庭]
 エデンの楽園におけるアダムとイブの至福は,ヨーロッパ人の懐旧の情を刺激したから,とくにルネサンス期以降には多くの絵画の題材になった。また楽園内部の男女のだれはばからぬ性的快楽というテーマは,一部の文学的想像力の刺激となり,たとえばミルトン《失楽園》に表現を得ている。また楽園の縮小版を自己の周囲に造形しようとする衝動もあって,これが人類の造園の歴史と間接的に結びついているといえるだろう。…

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