知恵蔵 の解説
KADOKAWA・DWANGO
両社は経営統合に先立ち、10年10月には包括的業務提携、11年5月には資本提携を行って、相互に役員を送ったり合弁会社を持ったりしてきた。両社のコラボレーションにより互いの収益に貢献するなど、事業提携が順調に進んできたことが経営統合につながったとのこと。KADOKAWAは出版事業、映像事業などコンテンツ創出力とブランドを活かして知的財産(IP)を核とした事業を進めてきた。ドワンゴはモバイル端末向けコンテンツ配信サービスやゲームソフトの開発・販売などを行い、日本最大級の動画サービスであるniconico(ニコニコ動画、ニコニコ生放送)を展開する。両社が経営統合することで、角川の持つコンテンツ力とドワンゴの持つIT発信力が大きな相乗効果を生み出し、「世界に類のないコンテンツプラットフォーム」の確立が目指せるとする。
今回の経営統合は、米アマゾンやグーグルなどが先行しリードする市場への、日本企業による挑戦ともいわれる。しかし、経営統合する両社合わせても売り上げは2千億円にも足らず、社内の不協和音も報じられている。更に日本の他のコンテンツ制作者などから賛同が得られるかどうかについても不透明で、先行きは楽観できないと言われている。
(金谷俊秀 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報