病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「mTOR阻害剤」の解説
mTOR阻害剤
《エベロリムス製剤》
アフィニトール(ノバルティスファーマ)
《シロリムス製剤》
ラパリムス(ノーベルファーマ)
細胞の成長、増殖などを調節する役割を果たしているmTOR(哺乳類ラパマイシン標的
エベロリムス製剤は、根治切除不能または転移性の腎細胞ガン、神経内分泌腫瘍、手術不能または再発乳ガン、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫に用います。
シロリムス製剤は、リンパ脈管筋腫症(LAM)におけるLAM細胞の増殖及び転移を抑制することにより病態の進行を抑制します。
①間質性肺疾患、感染症、アナフィラキシー、進行性多発性後白質脳症、BKウイルス腎症、口内炎のほか、エベロリムス製剤では、腎障害、高血糖、糖尿病の発症または悪化、貧血、ヘモグロビン減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、急性呼吸窮迫症候群、肺塞栓症、深部静脈血栓症、二次発ガン、血栓性微小血管障害、肺胞蛋白症、心嚢液貯留、創傷治癒不良、シロリムス製剤では、消化管障害(下痢、悪心、嘔吐など)、創傷治療不良、腎障害、皮膚障害(
②そのほかに、食欲減退、高血圧、頭痛、せき、腹痛、疲労、発熱、発疹、鼻出血、味覚異常、不規則月経などが現れることがあります。このような症状が現れたときは、医師に相談してください。
①錠剤で、食後または空腹時のいずれかを決めて1日1回服用します。エベロリムス製剤では、適応症により服用量がかわるので医師の指示に従ってください。
②この薬の成分に過敏症のある人、シロリムスまたはシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある人、妊婦、妊娠している可能性のある人は使用できません。また、生ワクチンとの併用はできません。
③咳嗽、呼吸困難などの呼吸器症状が現れた場合には、ただちに医師に連絡してください。
④肺に間質性陰影を認める人、感染症を合併している人、肝機能障害がある人、肝炎ウイルスまたは結核などの感染または病歴のある人、高齢者は使用できないことがあります。
①リファンピシン製剤、シクロスポリン製剤、抗真菌剤、マクロライド系抗生物質、オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル、グレープフルーツジュース、セイヨウオトギリソウ含有食品などと併用すると作用が強まったり、低下することがあります。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報