s過程(読み)エスカテイ(その他表記)s-process

デジタル大辞泉 「s過程」の意味・読み・例文・類語

エス‐かてい〔‐クワテイ〕【s過程】

恒星進化の最終段階における元素合成漸近巨星分枝星AGB星)の内部中性子捕獲によって核子数が増えることで生じる。sは「遅い」(slow)を意味し、β崩壊にかかる時間が長く、次の中性子捕獲まで長い時間がかかることを意味する。鉄よりも重い重元素うち、特にストロンチウムバリウム合成に寄与する。スロープロセス。→r過程

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関連語 恒星進化 崩壊

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「s過程」の意味・わかりやすい解説

s過程
エスかてい
s-process

進化の進んだ恒星内部での重元素合成過程の1つ。sは slowの略。ヘリウム燃焼過程に付随して生じた中性子を約 1000年に1個の割合で徐々に捕獲し,鉄 56 より重い核種が次々に合成される。ビスマス 209 に達すると,それが中性子を捕獲し,次にβ崩壊してポロニウム 210が生じる。これはすぐにα崩壊し鉛 206となり,s過程はここで終る。 (→r過程 )

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