マスキング(英語表記)masking

精選版 日本国語大辞典 「マスキング」の意味・読み・例文・類語

マスキング

〘名〙 (masking)
① おおい隠すこと。包み込むこと。
悪臭などを他のにおいで包み隠すこと。

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デジタル大辞泉 「マスキング」の意味・読み・例文・類語

マスキング(masking)

[名](スル)
覆い隠すこと。包み込むこと。
悪臭などを、他のよい香りや別の強いにおいで包み隠すこと。
コンピューターグラフィックソフト機能の一。描画などの作業したくない領域を指定し、保護すること。

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改訂新版 世界大百科事典 「マスキング」の意味・わかりやすい解説

マスキング
masking

分析化学用語。遮へい(蔽),隠ぺいともいう。化学反応において目的の反応を妨害する物質が共存するとき,他の物質を加えるなどしてその妨害を取り除くこと。たとえばCu2⁺とAl3⁺が共存する試料中のCu2⁺のみを分析したいとき,そのままでは合量が分析にかかるが,F⁻を加えるとAl3⁺はF⁻と強く結合するので,Cu2⁺のみを分析することができる。その他の方法として妨害物質の酸化状態を変える方法がある。Cu2⁺とZn2⁺をEDTA滴定するとき,チオ硫酸ナトリウムを加えるとCu2⁺のみが還元されてCu⁺になってEDTAと反応せず,Zn2⁺だけが滴定できる。F⁻やチオ硫酸ナトリウムのことをマスキング剤という。このようにマスキングは妨害物質をろ(濾)過などで系外に除去するのではなく,その遊離濃度を激減させることに特徴がある。こうした操作は以前から断片的には行われていたが,とくに金属錯体の生成という観点からマスキングの概念を明確にしたのはファイグルF.Feiglである(1936)。
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化学辞典 第2版 「マスキング」の解説

マスキング
マスキング
masking

しゃへいともいう.目的成分の検出,または定量を妨害する共存成分を系外に除去することなく,適当な化学的処理をほどこしてその妨害をなくすこと.処理のために加える試薬をマスキング剤という.マスキング剤としては,妨害成分(主として金属イオン)に対し,選択的に作用する錯形成剤が用いられる.たとえば,アルカリ土類金属イオンのEDTA滴定の際,これを妨害する Co2+,Ni2+,Cu2+ などの重金属イオンは,シアン化カリウムをマスキング剤として添加することによってしゃへいすることができる.マスキング剤としては,そのほかアンモニアトリエタノールアミン,EDTA,酒石酸クエン酸などがよく利用される.錯形成剤でしゃへいするほか,妨害イオンを酸化または還元し,イオン価を変えて無害にする場合もあるが,この場合,加えられる酸化還元剤に対してはマスキング剤とよばないことが多い.

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「マスキング」の解説

マスキング

資料表示方法OHPを利用した資料の表示方法のひとつ。1枚のOHPシートにイラスト文字を書き、その上に紙などの光を遮断するものを置いて、目的の資料の部分を話の展開に合わせて順次表示していく方法。OHPオーバーレイ画像処理技術Photoshopなどのグラフィックスソフトで使用される画像処理技術のひとつ。画像の一部分をマスク画像で覆っておくと、その部分を他の色で塗っても、元の色を変化させずにとどめておける。複数の画像を合成する際に、よく利用される。Photoshopグラフィックスソフト

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「マスキング」の解説

マスキング【masking】

塗装の際、色を塗らない部分に粘着テープなどを貼って保護すること。このための専用テープをマスキングテープという。

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