[解説] 一人や二人ではなかなかうまくいかない場合でも、三人目の知恵や視点が加わることによって互いに刺激し合い、当初は思いもよらなかった発想が浮かんで、問題の解決につながることがままあります。 「文殊」は、仏教で知恵をつかさどる菩薩で、「文殊の知恵」とまでいうのは誇張表現ですが、根底には、三人集まることで発想の質的転換がなされることがあるのは確かでしょう。ただし、もちろん、かならずそうなるというわけではなく、用例をみると、知恵があり信頼できる人に話をもちかけ、ぜひ相談に乗ってほしいというときの口説き文句として使われることが多いようです。 なお、英語には、三人を評価することわざは見当たりませんが、類似のものにTwo heads are better than one.(二つの頭は一つにまさる)があります。