三尸(読み)サンシ

デジタル大辞泉 「三尸」の意味・読み・例文・類語

さん‐し【三×尸】

道教で、人の体内にすんでいるという3匹の虫。庚申こうしんにあたる夜、人の眠っているすきに体内から抜け出て、その人の罪悪天帝に告げ知らせるという。三尸虫。→庚申待

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精選版 日本国語大辞典 「三尸」の意味・読み・例文・類語

さん‐し【三尸】

  1. 〘 名詞 〙 道教で、人の体内に住んでいると説く三匹の虫。絶えず人の行動を監視していて、庚申の日の夜には、睡眠中の人の体から抜け出てその人の罪過の一々を天帝に告げるという。三尸虫(さんしちゅう)。三虫。九虫。三姑三彭。→庚申待
    1. 三尸〈玉函秘典〉
      三尸〈玉函秘典〉
    2. [初出の実例]「旅人毎夜守三尸。況対寒燈臥時」(出典菅家文草(900頃)三・同諸小児、旅館庚申夜、賦静室寒燈明之詩)
    3. [その他の文献]〔抱朴子‐微旨〕

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改訂新版 世界大百科事典 「三尸」の意味・わかりやすい解説

三尸 (さんし)
sān shī

中国,道教において人間の体内にいて害悪をなすとされる虫。早く,晋の葛洪の《抱朴子》には,人間の体内に三尸がおり庚申の日に昇天し司命神に人間の過失を報告して早死させようとすると記す。くだって,宋の《雲笈七籤》所収の《太上三尸中経》では,三尸の上尸を彭倨,中尸を彭質,下尸を彭矯と呼び,この三彭は小児や馬の姿に似,それぞれ頭部,腹中,下肢にあって害をなす。庚申の日,昼夜寝なければ三尸は滅んで精神が安定し長生できると記す。唐・宋以後はこうした説が広く流布した。
庚申信仰
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普及版 字通 「三尸」の読み・字形・画数・意味

【三尸】さんし

体内の蠱虫。

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