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… 庚申(こうしん)は中国から伝えられた信仰で,この日の夜に身体にすむ三尸(さんし)虫が天に登って天帝にその人の悪事を告げるといわれ,それを防ぐために集まって語りあかす庚申講が中世以来盛んになった。この際に庚申の猿にちなんで青面金剛の神像下に3頭の猿(三猿(さんえん))を描き,これを俗に〈言わざる,見ざる,聞かざる〉と称し,このような行為をつつしむことで人生を安全幸福におくることができるとする教えが尊ばれた。庚申信仰はもと日吉神社の神使が猿であるとされたように,山の神の使わしめを猿と考える民間信仰を基礎とし,中国伝来の教義をもって形をととのえたために,貴賤をとわず全国的に信仰されるに至ったものではなかろうかと考えられている。…
※「三猿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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