帰する(読み)キスル

デジタル大辞泉 「帰する」の意味・読み・例文・類語

き・する【帰する】

[動サ変][文]き・す[サ変]
あるところに落ち着く。最後にはそうなる。「すべての努力水泡に―・した」
罪・責任などを他の人や物のせいにする。なすりつける。負わせる。「責任を部下に―・する」
従う。
「悪をしりぞけて善に―・するなり」〈愚管抄・一〉
信仰するようになる。帰依きえする。
法相大乗の宗を―・す」〈平家・七〉
[類語]帰着帰結帰趨結果

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「帰する」の意味・読み・例文・類語

き‐・する【帰】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]き・す 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. 結局ある一つのところに落ち着く。最後にはそこへ寄り集まってくる。帰着する。
      1. [初出の実例]「往事渺茫(べうばう)として都(すべ)て夢に似たり、旧遊零落して半ば泉に帰す〈白居易〉」(出典和漢朗詠集(1018頃)下)
      2. 「ダウリワ コレニ qixita(キシタ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    2. 帰服する。心を寄せる。従う。
      1. [初出の実例]「五百将軍是に帰して、〈略〉終に般舎羅王に随ふ事を云なり」(出典:九冊本宝物集(1179頃)一)
    3. 帰依する。信仰する。
      1. [初出の実例]「魏文帝、梁武王、つひには仏法に帰したまふ」(出典:九冊本宝物集(1179頃)四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]き・す 〘 他動詞 サ行変 〙 罪などをある物や人のせいにする。負わす。かこつける。なすりつける。
    1. [初出の実例]「天下の罪を身に帰(キ)して、己(おのれ)を責むる心を弁(わきま)へざりけるにや」(出典:太平記(14C後)二四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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