放射光(読み)ホウシャコウ

最新 地学事典 「放射光」の解説

ほうしゃこう
放射光

synchrotron(orbital) radiation

光の速度に近い高速に加速した電子を磁場により進行方向を曲げるとき,その接線方向に出る光のこと。SR光とも。赤外線領域からX線領域に及ぶ連続した滑らかなスペクトルをもつ電磁波で,電子の運動エネルギーや磁場の強さによりスペクトルの分布が変化。きわめて強度が強い,安定,平行性がきわめてよい,光の振動面が偏光,パルス状の光である等の特徴がある。日本では茨城県つくば市の高エネルギー物理学研究所と播磨科学公園都市SPring-8(1997年完成)が大型の放射光施設。X線回折,分光学などの各種実験の線源として利用。

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百科事典マイペディア 「放射光」の意味・わかりやすい解説

放射光【ほうしゃこう】

SOR,シンクロトロン放射光とも。シンクロトロンで光速近くにまで加速された電子が,円形リング中を磁場で曲げられるときに放射する光(電磁波)。素粒子実験など加速器物理学にとってはエネルギーをむだに持ち去る放射となるが,科学のさまざまな基礎研究にとって非常に有用な特性があり,放射光をつくるための専用加速器(フォトン・ファクトリー)が次々に建設されるようになった。播磨科学公園都市のSPring-8(電子エネルギー8.0GeV)などが,世界の一線級施設。放射光は,赤外線からX線領域までの連続波長の鋭い指向性をもつ高輝度光源として,物質構造の解析をはじめ,生物学医学を含む幅広い分野での基礎研究に利用されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放射光」の意味・わかりやすい解説

放射光
ほうしゃこう
synchrotron radiation; SR

電子が磁場中で円弧を描くとき,その加速度によって発生する光。運動競技場のトラックを走る選手のように電子が長円形軌道をグルグル回るように電磁石を配し,そのトラックに1~3GeVのエネルギーをもつ電子を数十~数百 mA周回させる。円弧の部分では放射光が接線方向に放出される。光の波長は曲率と電子エネルギーによるが,可視光からX線にわたる。この光は指向性が高く,輝度が強く,また他の光源では得られない波長領域を含むため,物理学,化学,生物学,材料科学,医学などで大変応用性が高い。

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