放射霧(読み)ほうしゃぎり

精選版 日本国語大辞典 「放射霧」の意味・読み・例文・類語

ほうしゃ‐ぎり ハウシャ‥【放射霧】

〘名〙 地表面の放射冷却によって、地表に接した空気が冷却したときできる霧。主として風の弱い晴天の明け方に発生する。輻射霧

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デジタル大辞泉 「放射霧」の意味・読み・例文・類語

ほうしゃ‐ぎり〔ハウシヤ‐〕【放射霧】

夜間放射冷却によって地表に接する空気が冷却されてできる霧。風の弱い、よく晴れた日の早朝に発生しやすい。輻射霧。

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百科事典マイペディア 「放射霧」の意味・わかりやすい解説

放射霧【ほうしゃぎり】

夜間の放射冷却によって発生する霧。秋など高気圧圏内にあって雲の少ない夜間,10μmくらいの長波長放射によって地面が冷え,地面に接した気層温度露点温度近くまで低下して霧が発生する。この場合上空気温逆転層があり,微風が吹いていることが条件日の出後消滅する。
→関連項目盆地霧

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知恵蔵mini 「放射霧」の解説

放射霧

雲がないため夜間に地上の気温が下がる「放射冷却」により、地表付近の空気が一定温度以下になることによって発生する霧のこと。輻射(ふくしゃ)霧ともいう。湿度が高く風の弱い、快晴の早朝に発生しやすく、日の出で温度が上昇するに従い消滅に向かう。秋から初冬の、内陸盆地で発生しやすい。放射霧は、地表付近が上空より低温となる「接地逆転層」により乾燥し安定した空気層の下にのみ発生し、様々な条件により、放射霧の濃さ・霧の覆う高さなどが変化する。

(2014-11-18)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放射霧」の意味・わかりやすい解説

放射霧
ほうしゃぎり
radiation fog

夜間の放射冷却によって地面付近の空気が露点以下に冷やされる場合に発生する多くは明け方に発生し,日の出とともに,遅くとも 9時頃までには消える。高気圧に覆われ,大気下層成層が安定している場合に発生しやすい。

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世界大百科事典(旧版)内の放射霧の言及

【霧】より


[霧粒]
 霧粒は直径数μm~数十μmの大きさで,1cm3の空気中に数個~数百個含まれている。また,単位体積中に霧粒として存在している水の量を霧水量(きりみずりよう)といい,海霧で1m3当り0.1~2g,放射霧で0.01~1g程度である。霧水量が多いときほど一般に視程は低下し,0.1g/m3のときの視程は数百mの程度であるが,0.5g/m3で100m,2g/m3で数十mとなる。…

※「放射霧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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