柏手(読み)カシワデ

精選版 日本国語大辞典 「柏手」の意味・読み・例文・類語

かしわ‐でかしは‥【柏手・拍手】

  1. 〘 名詞 〙 神を拝する時に手を打ち鳴らすこと。開手(ひらで)。はくしゅ。
    1. [初出の実例]「拍手響く山の雲霧」(出典:大観本謡曲・逆矛(1432頃))

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改訂新版 世界大百科事典 「柏手」の意味・わかりやすい解説

柏手 (かしわで)

神を拝むとき,両掌を打ち合わせて音をたてる作法。単に拍手はくしゆ)あるいは開手(ひらで)ともいう。拍手は元来歓喜,感動などの表示とされるが,度数や形式を定めて行うのは世界にも類例のない神拝作法であるという。一般の神社祭式では2度打つのが普通であるが,伊勢神宮のように八開手(やひらで)と称して8度打つ場合もある。古くは朝儀にもこれを行い,賜物捧物(ほうもつ)などの場合や飲食をとるにあたってもこれを行った。
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百科事典マイペディア 「柏手」の意味・わかりやすい解説

柏手【かしわで】

拍手または開手(ひらで)ともいう。神前での神拝作法。古くは朝廷儀式,賜物(たまいもの),捧物(ほうもつ)の場合や民間の飲食に際して行ったという。二,四,八の各柏手があり,八度打つのは八開手(やひらで)と称す。ほかに短柏手(しぬびで)という小さく短く打つものもある。

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世界大百科事典(旧版)内の柏手の言及

【拍手】より

…折口信夫によると,平安期の大饗(おおあえ)と名付けられた饗宴には正客が正席につくと,列座の衆が拍手するのが本式で,宴(うたげ)とは〈うちあげ(拍ち上げ)〉で礼拝を意味したが,時代を経るにしたがって饗宴全体をあらわし,ついには酒宴をさすようになり,これが饗宴の主要部を構成すると考えられるようになったという。柏手(かしわで)手打【藤井 正雄】。…

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