破魔矢(読み)ハマヤ

デジタル大辞泉 「破魔矢」の意味・読み・例文・類語

はま‐や【破魔矢】

破魔弓につがえて放つ矢。現在は神社厄よけお守りとして売り出す正月縁起物 新年「をりからの雪にうけたる―かな/万太郎
新築の家の上棟式の際、鬼門方角に向け、破魔弓とともに立てる2本の矢の形をしたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「破魔矢」の意味・読み・例文・類語

はま‐や【破魔矢】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 破魔弓につがえて放つ矢。今は正月の縁起物としている。はまつや。《 季語・新年 》
    1. [初出の実例]「御はま矢共、何方へも御遣候はは、進上可申候」(出典毛利家文書‐(年未詳)(1565頃)一二月二九日・毛利輝元書状)
  3. 棟上式のとき、破魔弓とともに屋上に飾る、檜で作った二本の矢の形をしたもの。鏑矢を上に向け、雁股矢を下に向ける。
    1. [初出の実例]「上棟之例式〈略〉破魔弓・破魔矢之作格」(出典:匠家故実録(1803)中)

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改訂新版 世界大百科事典 「破魔矢」の意味・わかりやすい解説

破魔矢 (はまや)

神社で正月に縁起物として授与している矢。もと〈はま(浜)弓はま矢〉といって,宮廷民間において,正月に射礼(じやらい)として弓矢を射たときに使われたことに由来する。〈はま〉とは《貞丈雑記》によると,大和国(奈良県)吉野郡地方や土佐国(高知県)地方で,正月に子どもが弓を射るときの的の穴をいうのだという。すなわち,的は縄を巻いて直径1尺(30cm)ほどの輪をつくり,その中に鍋敷の形をした,さしわたし2~3寸(6~9cm)の穴をあけ,これを〈はま〉と称し,この〈はま〉を射るのが〈はま弓はま矢〉であるという。これが原義であろう。のちに〈はま〉は破魔の字をあて,悪魔を破る矢のごとく解されるようになった。弓とともに男の子へ正月に贈る玩具となり,のち初節供の贈物ともなった。上棟式に屋上にあげる弓矢も破魔弓,破魔矢と称した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「破魔矢」の意味・わかりやすい解説

破魔矢
はまや

破魔弓

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「破魔矢」の意味・わかりやすい解説

破魔矢
はまや

破魔弓」のページをご覧ください。

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