上棟式(読み)ジョウトウシキ

デジタル大辞泉 「上棟式」の意味・読み・例文・類語

じょうとう‐しき〔ジヤウトウ‐〕【上棟式】

家屋建造の際、棟木を上げるにあたり、大工棟梁とうりょうなどが神を祭り新屋安全を祈る儀式棟上げ式建前たてまえ上棟祭

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精選版 日本国語大辞典 「上棟式」の意味・読み・例文・類語

じょうとう‐しきジャウトウ‥【上棟式】

  1. 〘 名詞 〙(むね)上げの儀式。建築物の棟木(むなぎ)を上げる時に、神をまつって行なう儀式。棟木に綱をつけ、参列者一同が綱を引いて棟木を上げるのを本旨とするが、実際には、先に棟木を上げておき、形式的に綱を引き、工匠が棟木を槌で打つ。上棟祭。建前(たてまえ)。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「上棟式」の意味・わかりやすい解説

上棟式
じょうとうしき

通常、棟上(むねあ)げ、建前(たてまえ)などといい、建築儀礼の一つである。建造物の骨組ができ、棟木(むなぎ)をあげたときで、家屋としての形態をとる最初である。新築の家に災難がないように神に祈念し、大工を主客に祝宴を行う所が多い。沖縄多良間(たらま)島ではこの日に棟木から縄梯子(なわばしご)をつるし、天から火の神が降臨されるといい、この日まで建築現場で火を扱うことは禁じられていた。棟木をのせると初めて人間のすみかとなると信じられてきたのである。洗米、神酒(みき)、塩、扇子半紙鏡餅(もち)、女性の髪の毛、化粧品などを飾り、餅をまく所が多い。家の四隅からまく餅をスミモチといい、とくに大きくつくり、中に硬貨を入れたものをまくが、これを拾うと縁起がよいという所もある。屋上に飾る道具に女性に関するものが多いことは、家屋は本来、女性の管轄下にあったことを示すものであろう。棟上げが済むと、棟梁(とうりょう)送りといって、棟梁を家まで送って行く習俗もある。火災など非常の際、上棟式までは棟梁の責任であるが、これ以後は建て主の負担という所もある。

[鎌田久子]

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「上棟式」の解説

じょうとうしき【上棟式】

木造建築を建てる際、建物の最頂部の構造部材である棟木(むなぎ)を載せるときに行われる儀式。地鎮祭とならび、現在でも一般的に執り行われる主要な建築儀礼。◇「建て前」「棟上(むねあ)げ式」「棟上祭」ともいう。

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リフォーム用語集 「上棟式」の解説

上棟式

建物の守護神と匠の神を祀って、棟上げまで工事が終了したことに感謝し、無事、建物が完成することを祈願する儀式。一般的に上棟式は、新築の家の土台が出来上がり、柱、梁、桁、力板などの骨組みが完成したあと棟木を 取り付けて補強する際に行なう。

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